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わたしの部屋

柔らかいオレンジ色の灯りで部屋を包んでくれる、
お気に入りのアンティークショップから連れてきたフランス製のアトリエランプ。
表面は一部錆びているし、大きめのチェーンがジャラリとぶら下がっていて、
無骨な印象もあるけれど、わたしは一目でこのランプの全てに惚れてしまった。


電車の座席のシートと同じ素材の布が貼られた、グリーンのカリモクチェア。
わたしは、この椅子に、おばあちゃんになっても座っていたい、
そんな思いで買ったお気に入りの椅子。
疲れたわたしを優しく受け入れてくれるし、こうして言葉を綴るときも静かに見守ってくれる。


わたしの人生の中で、一番高い買い物は、絨毯で、イランのゾランヴァリのギャッベだ。手織で、同じものは二つとない、世界に一枚しかないギャッベ。
深い緑色がベースで、富の象徴のラクダや健康を願う生命の木、美しさの象徴の花が折り込まれていて、100年以上持つと言われていて、母から子へ引き継ぐことも多いと聞いた。


で、何をお伝えしたかったかというと。
『自分の部屋は、お気に入りでつくる』ということ。

自分の『好き』を知ることは、自分自身を知ることだと思う。
何が好きで、何が嫌いか。
何が心地よくて、何が不快か。
それを少しずつ知っていって、自分の城を作っていく。


少し怪しい話かもしれないが、わたしは前世というものを信じている。
自分の部屋作りと前世がなぜ繋がるか?

わたしは、前世で、フランスで鉄を使ってオブジェを作るアーティストだったことがあるらしい。
だから、フランス製の鉄のランプに共鳴したんだ、とか。

わたしは、前世で、エジプトやペルシャで占い師をしていたことがあるらしい。
だから、ギャッベにどこか懐かしさを感じるのか、とか。


自分の部屋作りは、自分を知ることからで、
自分を知るということに対して、前世まで遡るということにいささかロマンを感じる。


あなたの部屋には、何がありますか?
あなたの『好き』は何ですか?

そして、あなたはどんなひとですか?



晴海たお




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