複業を始めて3年。振り返りと今考えること
3年前の春、私たちの働き方は大きく変わりました。
それまでは出社することが当たり前だったけれど、より生活と隣り合わせの「リモートワーク」や、時間・場所問わずつながれるようになった「オンライン会議」。その数年前から選択肢としてあった「複業」や「転職」も、さらに時代の波がきているように感じます。
この数年で価値観を大きく変えた人はそう少なくはないはずですが、私もその一人でした。
私の就活生時代は、まだまだこぞって大企業への入社を望み、ベンチャーはどこかチャレンジング。入社の段階で転職を考える…そんなことはそう多くなかったように感じます。(私がそう見ていただけかもしれませんが)
そんな私も縁あって入社した会社で、肩書き上は組織人として過ごしてきた10年間。さまざまな部署を経て、今に至りますが、2020年の春、本格的に「複業」を始めるにあたって書いた1本のnoteは大きな転機になりました。
気づけばまもなくで3年。
また新たな日常になりつつある今、この期間を振り返ってみたいと思います。
VENTURE FOR JAPANの現在地
VENTURE FOR JAPANは、2018年からスタートした事業です。
起業や将来のために成長したいと思う若者が、業界をリードする地方の中小企業やベンチャー企業の経営者直下の事業責任者等として2年間限定で就職するプログラム。この春には5期生も加わり、これまでに25名が参加しています。2021年には参画企業が東北を越え全国に拡大、2022年春にはNPO法人アスヘノキボウの一事業から、新たに設立した株式会社VENTURE FOR JAPANへ事業譲渡しました。
その後、2022年11月には一般社団法人VENTURE FOR JAPANを設立。再度事業譲渡を行いながら、新たな体制で事業をスタートしています。
私は、学生さんへの認知・応募してもらうまでの導線に基づくコミュニケーションの実施、メディアとのコミュニケーションやサイトの運営・リニューアルなど、PRの域の仕事をメインに行ってきました。
取材やイベントなどでは、たくさんの方にご協力いただきました。
感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
“この3年間でやっと分かった”私に足りなかったこと
ありがたいことに「老舗大企業(本当は大企業との規模でもないのですが)とベンチャーで複業している」という事実に、目を留めてくださる方も多く、私自身に多々取材をいただきました。
「noteを見まして…」とご連絡くださる方も多く、そもそも情報が溢れかえるこの社会において、気づいていただけること自体に嬉しさとありがたさでいっぱいになりました。取材だけでなく、寄稿もさせていただく…との新たな経験の機会にも恵まれました。
それでも、表面上、キラキラして見えてしまっている感覚を抱きながら、実は私の内面では大きな乖離があったのも事実です。
平日の日中は会社で働き、それ以外の限られた時間での仕事。
まだまだ認知が低い、VENTURE FOR JAPANの想いや仕組みを少しでも多くの学生さん・20代の第二新卒の方々に知っていただき、プログラムに飛び込んでもらう。
広いPRの域をほぼ全てを担いながらも、目指す山の頂上はとてつもなく遠く、なかなか辿り着かない現実とどのような成果を出せているのだろうか、と暗中模索の日々に劣等感でいっぱいに。表面と内面の乖離は、時に気持ちの波となって襲ってくることもありました。
それらを振り返ってみると、まだまだ誰かの目を気にして、自分自身に集中できていなかったように思います。
2023年の今、もう一度「複業」を考えてみる
人口とともに労働力が減少してくる日本。会社勤めの人であれば、その会社に固執するのではなく、さまざまなところで自分の存在価値を発揮する。そう求められているのだと感じています。
しかしそのなかでも、複業は「自己実現や想いをカタチにする一つの手段」にしかすぎなく、複業が全てでもない。決してやっている人が偉いわけでもないんです。
しかし、どこかで「やっている人がすごい」とか「やらなきゃいけない雰囲気」を私自身も感じることがあり、煽られる感覚にもなります。
それでも私は決して焦る必要はなく、無理にやる必要もないと考えています。
それぞれの場所で所属にとらわれず、自分自身を透明にするつもりで身を寄せ、その場に参画してみる。もしくは、自分のアイディアをカタチにしていく。自らができること、少しハードルがあってもやりたいと思うことに向かって動いていくだけ、実はごく単純なことなのだと考えています。
先ほど、私はこう書きました。
純粋に「少しでも多くの人に知ってもらいたい」と思えるモノなのであれば、自然と身体は動くはず。もちろん一朝一夕にはいきませんが、戦略に沿って考えられる手段は最大限取り組み、チャレンジをしてみる。時に失敗に終わるかもしれないけれど、新たな学びに変えて再度チャレンジをしてみること。
正直ずっと悩みながらでしたが、一人で悩んでいても負のループに陥るばかり。VENTURE FOR JAPANのプログラムに参加する子たちにいつも言っていることを、まだまだできていなかった自分に大反省。「複業」をしていても、自らの成長を自分で止めてしまっていることもあるな、と痛感しました。
これも、この期間中、複業関係なく、たくさんの方との出会いや対話があったからこそ気づくことができました。本当にありがとうございます。
未来を見据えながら、今考えていること
長期的に見た時に、VENTURE FOR JAPANが目指す世界やプログラムの内容に共感してくださる方々が増えてきているのも事実です。さらに社会的にもVUCAの時代…など言われ、選択肢を多く持っていた方が可能性も大きく広がるなかで、このプログラムは時代の波に合っている、と確信しています。
さらに私自身も社会人としての経験を重ねている今だからこそ感じる「就活時代に出会っていたら飛び込んでいただろう」との想いが、関わる原点であったりもします。
まだ社会人経験がない、学生さんたちに伝えていく難しさはハードルが高いのですが、一般社団法人化後はさらに、企業や行政の方々などとの連携も広がり、大学の皆さんとご一緒することも増えてきました。
ということで、これからも私から見るVENTURE FOR JAPANでのこと、そこからの学びなどを定期的にnoteに記していきたいと思います。
未来の日本を支える次世代の働き方の新たな選択肢をつくりながら、さらに地域の企業さんの成長にも貢献していくこと。自分の力を信じつつ、日々努力しながら、自分自身も成長していきたい。
さらには、VENTURE FOR JAPANに少しでも興味・関心がある方とぜひこの世界を広げていきたいとも思っています。
ちなみに…一緒に働く仲間も募集中です。もちろん働くまでは…という方もカジュアルにご連絡いただければと思いますし、ぜひ「合いそうだな」と思う学生さんがいらっしゃればお声かけください!
ありがとうございます。今の私はたくさんの人生の先輩方にお世話になったからこそだと感じています。いただいたサポートでは、後輩が迷った時に話を聞く際のカフェ代に恩送りさせていただきます。