【第17話】言葉は自己啓発書

2020年 11月1日のアーカイブ

これはKREVAの言葉だ。すごく的を得ていると思う。自分は自分の書いた文章に、とても影響を受けている。楽しいことを書いたら楽しい気持ちになる。悲しいことを書いたら悲しい気持ちになる。そんなレベルじゃなくて、書いた言葉の一文字一文字によって、考えが進む。

自分にとって大切なもの、不安なもの、悔しいもの、好きなものを文字にする。その文字は脳に刻まれ、そこから新しい考えが生まれる。新しい考えの種になりそうなものは、積極的に言語にして育ててみるべきだ。

今、昔に書いた自分の言葉に納得したり、救われたりする。今書いているこの言葉は、未来の自分にとって必要だし、未来の自分を助けるかもしれない。つまり、この日記は自分にとって重要なものだ。自分の言葉が自分を含む誰かに届いて、胸に残って、その人の大切なものになったら、それ以上言う事はない。

村上春樹の「風の歌を聴け」という小説に、こんなセリフがあった。

『いい小説さ。自分にとってね。俺はね、自分に才能があるなんて思っちゃいないよ。しかし少なくとも、書くたびに自分自身が啓発されていくようなものじゃなくちゃ意味がないと思うんだ。そうだろ?』

日記には、自分のための文章を書く。自分が書く日記は、他の人からは落書きに見えるかもしれない。でも自分にとっては、自分を啓発してくれる大事なものなのだ。

2021年4月3日現在のコメント

今の自分は、この文を含む過去の文章に救われている。今日書く文章は、未来の自分の要素になる。何が言いたいかというと、日記はとてもいいものだ、って事だ。

「風の歌を聴け」には、心にくるパンチラインがたくさんある。しかもそのパンチラインの多くが、登場人物の口から発される。

お気に入りの台詞は、
「ねえ、私って幾つに見える?」
「28。」
「嘘つきねえ。」
「26。」
女は笑った。

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