![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68704053/rectangle_large_type_2_6f7d47c3abd85e90823f67b39b8a2809.png?width=800)
映画『THE GUILTY ギルティ』【鑑賞メモ】
Netflixにて公開中の映画『THE GUILTY ギルティ』の鑑賞メモです!
ネタバレ無しでサクッとご紹介、感想を話します!
面白かったので、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです☺✨
映画『THE GUILTY ギルティ』の詳細はこちら↓
https://www.netflix.com/title/80240245
guiltyとは
有罪の、罪を犯して、罪の自覚がある、身に覚えのある、やましいところのある、(…に)やましい思いをして
【あらすじ】
ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、緊急通報指令室のオペレーターとして事件・事故の通報受付、パトカーや救急車を手配する日々を送る主人公アスガー。
ある日、女性から一件の通報を受け、不審な様子から慎重に内容を伺うと、女性が”誘拐されている”ということがわかる。電話口から聞こえる声と物音を頼りに、事件解決に挑む主人公だが―
【感想】
久々に面白いミステリー映画でした!
主人公は緊急通報指令室から出ることなく、通報してきた女性や関係各所への連絡など電話のみで事件解決のために頭をフル回転させます。手掛かりは、電話口の人間の声とかすかに聞こえる物音のみ。点と点をつなぎ合わせて事件の全貌を想像しながら、的確に指示を出し、時にはパニックに陥った通報者をなだめたりします。
少しずつあかるみになる事実、それにより生じる矛盾にモヤモヤしながら、息もつかせぬスピード感で物語は展開し、後半では『え、そ、そういうこと・・・!?』と衝撃を受けました。
勘の良い方だとオチが読めてしまうかもしれませんが、想像できたとしても楽しめる作品だと思います。
【憶測で深読み】※ネタバレ含む
主人公は、ある事件をきっかけに現場を離れてオペレーターとして働いているのですが、そのことをきっかけに精神的に不安定になってカウンセリングに通っており、妻も家を出てしまったなど、主人公自身の内面についてもそれとなく触れられる描写があります。
仕事上の立場が変わってしまい、妻も出ていき、きっとそれを招いてしまった自分を許せない気持ちを抱えていたり、自己肯定感も下がってしまった状態だと思います。
そういうときって、私の経験上、自分の中に歪んだ正義感や承認欲求が芽生えるのではないかと思うんですよね。
本当は自分が向き合うことから目をそらしている、自信がない、誰からも必要とされていない、そうした気持ちをどうにかして消化したい!自分を正当化したいために、他人を裁きたくなる、すごい・偉いと思われたくなる。
それで、他人の粗探しをしたり、人の間違いを指摘したくなったり、手助けする人を選別したりする。
主人公アスガーは、今回の女性の通報を受ける前後で、別の方からの通報も何件か受けるのですが、言葉遣いの悪い人や、質問に答えない人、大した事件ではない人を軽くあしらって怒らせる場面もありました。
それを見ると、女性を救出しようと躍起になるアスガーという人間は、決して清廉潔白の”善人”ではないという印象を受けます。
冷静に対処しているように見えて、電話しながら感情的になって声を荒げてしまう場面もありました。緊急通報指令室のオペレーターとして、通報者を助ける・守る立場にいながらも、自分の正義感を押し通すこと、承認欲求を満たすことを優先しているように見えました。
私は、そういう”心の闇”にも共感できるなぁと思いました。
これは、お恥ずかしい話なのですが・・・
20代前半で接客販売の仕事をしていた頃のことです。
仕事とは全然関係のないことでストレスを抱えていた時期、接客の仕事をしながら理不尽な理由でお客さんを品定めして対応を変えたり、失礼な態度をとったことがあります。
『このお客さんは自分で調べられることも調べようとしない』
などと、自分の無礼を正当化する口実をでっちあげて、ストレスのはけ口にしていたのだと思います。自分が誰に親切にすべきか、逆に、どんな人ならそうする必要がないかを偉そうに選んでいたんです。
そうした過去の自分と主人公アスガーを重ね合わせることで、”正義感”、”善意”とは何かについて考えさせられる映画でした!
【まとめ】
緊急通報指令室にかかってきた一件の通報。声と音だけで、誘拐事件を解決することはできるのか?
主人公は一切緊急通報指令室の中から出ることがなく、電話での会話のやり取りのみで物語が展開する、非常にシンプルなミステリー映画です。
少しずつ明らかになる点と点を繋ぎながら事件の輪郭を組み立てていくのですが、それがガラッと崩される後半はちょっと衝撃。
オチが読める人は読めそうなので、ミステリーとしては賛否両論あるかと思いますが、主人公の人物像に焦点を定めて見てみると違った楽しみ方ができる作品かもしれません。
『善意』について考えさせられる映画。個人的には面白かったです!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?