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「マイナー・ポエットが好きだよな?」

ぼくが大事にしていることは食べることと眠ることで、あとはけっこうどうでもいいような気がしているのだが、どうでもいいことで悩んだり頑張ったりしなきゃならないので疲れる。

書くことは大事じゃないの? と言われたら、どうこたえよう?

どうでもいいなぁ、くらいに思っておいた方がよいのではないか。どうでもいいと言うわりには、とても熱心ですけどね!

好きで好きでたまりません! というのは、いわゆる"ファン"だ。ぼくは書くことにかんして(読むことにかんしても)"ファン"という感じにはどうしてもなれなくて、どこか冷めているところがある。

冷めているけど、熱いのだ。矛盾してるようで、していない(とぼくは感じる)。いや、冷めているところがあるから、よりありありと熱を感じる。

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今日の外出支援は、5ヶ月ぶりに会う人で、いつも行く店で食事をして(と言っても5ヶ月ぶりだ)、あとはあてもなく延々と散歩をしたり、お茶休憩をしたり(しなかったり)、ぼくには、とても心地いい時間だ。彼にも心地いいといいな、と思う。帰りのバスの中で、ふと見たら、温泉につかってふにゃーっとしてるような顔をしているのがわかって、あぁ、今日は(何があったわけではないが)よかったな、と思った。

今朝の夢では、昔、親しくした人が出てきた。昔、というのは、子供の頃だ。しかしその人がもう大人になっていて、ぼくはもちろんもう大人で、何やら妙な感じだ。

朝のページでそのことを書いていたら、急に、小川国夫さんから「きみは、マイナー・ポエットが好きだよな?」と言われたのを思い出した。

マイナー・ポエット、つまり、大作家ではない、小作家?

そのときがいつ、なのか、どこで、なのか、なぜそんな話になったのか、まったく覚えていないが、とにかくそう言われた〈声〉だけは鮮やかに蘇ってきた。

小川国夫が自分のことを大作家だと言うわけがなくて、自分はマイナー・ポエットだと言うだろう。つまり君はおれの本を好きだよな、と言いたかっただけなのか?──いや、ちがう。誰にでも通じるということはない、多くの人にわかりやすく伝わりはしないが、ある人にはとてもよく染み込んでゆくような何らかのことを我々は大事にしている、というわけだ。

(つづく)

「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"は、1日めくって、10月24日。今日は、「ひなた工房日和」の日の話。

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