対デザイナーベイビー
クローン羊のドリーが誕生してから25年の月日が経ち、遺伝子組み換えの技術は先を行き過ぎた。
デザイナーベイビーというのをご存知だろうか?
人間の受精卵に遺伝子操作を行うことで、様々なことが可能となる技術だ。
目の色を青くしたい・髪を金色にしたい
などの見た目に限定される話ではない。
足を速くしたい・視力を高くしたい
などの運動神経及び運動機能の向上も可能となるだろう。
真っ白なキャンパスに好きな絵を描くように、親は自分の子供を好きなようにデザインすることができる。このデザイナーベイビー技術には倫理的問題が山積している。
新しい科学技術が出てきた時に、それが倫理的にどのような問題があるのかという議論は必要だ。だが私は、今からその議論をする気はない。
核兵器が開発された時に、倫理的に大きな問題があったことは開発した人間たちが一番理解していた。しかし今の世界各国は核兵器というのを右手に持ち、左手で外交交渉を行っている。
核兵器が存在していることの倫理的問題を指摘するのはとても重要であるが、いくら問題を指摘しても核兵器の技術がこの世界から消えることはない。断言できる。であるならば、核兵器がある世界を受け入れて、どのようにその強大でおぞましい兵器を使わせないように均衡を維持するかを議論する方が有意義だと私は考える。
前置きが長くなったが、デザイナーベイビーという技術がこの世に生まれた以上、消えることはない。例え日本国内で法律等による規制を行ったとしても、万が一デザイナーベイビーが合法化された国があれば、その国まで飛び処置を受けるだろう。であるなら日本国内でいかにしてデザイナーベイビー技術を受け入れて、国益に反映させるかを議論したい。
本格的にデザイナベイビー技術が私達の日常となる。そうなった時に懸念される一番の問題は貧富の格差だ。
デザイナーベイビー技術が導入された時に、その技術の恩恵を受けるにはもちろんお金が必要だ。裕福な人間がデザイナーベイビー技術を使い、飛躍的に能力が上がった子供を生む、そしてその子が金持ちになりまたデザイナーベイビー、、、、、という悪循環によって、貧富の格差を助長することは容易に想像できるだろう。
しかしデザイナーベイビーにはとても良い点もある。受精卵の段階で何らかの体に不自由があったり、遺伝的な病気が発見された場合、それを修正することで病気を未然に防ぐことができるのだ。
少し脱線するが、日本には所得税がある。その人間の所得に応じて税金が課される所得税は、高額所得者にとって迷惑極まりないものだ。お金を稼ぐことのインセンティブ低下も懸念されている。しかし競争市場によって財を成す資本主義で競争は不可欠だ。全国民が一律の給料だとして誰がまともに働きたいと思うのか。
競争は格差を伴う。
その格差の中にわずかながらの平等を見出そうという所得税の理念は非常に好感を持てる。この所得税の理念を基礎に、デザイナーベイビー税を導入するというのが本題だ。
生まれてくる子供の目の色を変えたい、髪の色を変えたい、全然構わない。その代わりデザイナーベイビー税という重税を課す。デザイナーベイビー税を支払うのは子供ではなくもちろん親だ。重税を課すのは、ただ国に多額のお金を入れるということだけが目的ではなく、主眼は抑止効果だ。
「こんなに高いデザイナーベイビー税ならやめておこう」という抑止が主な狙いだが、「いやいやデザイナーベイビー税なんか安い安い」という家庭は多額のデザイナーベイビー税を納めてもらい、そのお金を全て社会福祉に回せばよい。
一例として
受精卵段階でAという病気を発見した親が、デザイナーベイビー税を支払い遺伝子操作を行いデザイナーベイビーを誕生させる。国に納めてもらったデザイナーベイビー税を私たちがAという病気になった時の保険及び社会福祉に使用すれば良いというわけだ。
何か新しい技術(技術に限らず)が出てきた時に、それがどんなものであれ、ただ否定するのではなく。今の私達に何ができて何ができないのかを俯瞰的に見て、多角的に考えていく必要がある。
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