うどんのカップ麺

別にそんなにお酒が飲みたかった訳ではない。

飲みたかった訳ではないけど飲み会に行った。

飲み会ではハイボールやビール、ウーロンハイをそれぞれ2杯ずつくらい飲んだ。

飲みたくなくても飲み会に行く時もある。

飲みたくないなと家では思っていても、いざ行ってみると楽しかったりする。

人間とは非常に曖昧である。


飲みたくないと思っていたのに楽しい。

一方で楽しそうだと思っていたのに全然楽しくない時もある。

不思議である。

自分の予想なんてのはあてにならない。

曖昧の中で生きている。


飲み会が終わり、

お腹もそれなりに満たされている。

コンビニに寄った。

飲み物を買うつもりだったし、確かに買った。

でも、うどんのカップ麺も買ってしまった。


25時。

こうこう光る蛍光灯はお昼の光の強さを放つ。

闇夜を申し訳ない程度で照らす街灯の中を、

自宅まで5分の距離を自転車で走る。

ガーガーガーと自転車のライトのダイナモが唸る。

そりゃそうだ。立ちこぎしている。


立ちこぎしても大した光にならない。

だけど、闇夜の中では確実な存在証明として

他者にアピールしている。


頑張ってるのに大した光も放てない。

けど確実な存在証明を持って

コンビニに行く。


僕以外誰もいないコンビニはこうこうと昼間の光を放つ。

そして、数千点に及ぶ商品が光の中で存在をアピールしている。


麦茶が欲しかった。

麦茶が飲みたかった。

麦茶だけで良かったのに、

うどんのカップ麺を買った。


お腹も空いてないのに、

うどんのカップ麺を買った。







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