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部活を辞めたとしても。

僕の大学の同期は最初のメンバーから引退するときには半分になりました。10人くらいが辞めました。

部活を辞めたら友だちでもなくなるの?

部活にいた時はほぼ毎日顔を合わせ、練習だけでなく準備や片付け、電車での帰り道、多くの時間を共に過ごします。
部活を辞めたら、これは全部無くなります。高校と違い時間割も十人十色。キャンパス自体違う人もいます。全く会わなくなることも普通にあります。
悲しいですが、辞めた人を悪者と考えてしまう風潮もあります。辞める人の中にはとても不義理だったり、他人に迷惑をかけて辞めていく人もいることもあるので、そうなってしまうのかもしれません。
でもそれ、ちょっと寂しいですよね。
それがわかっていたので、僕は辞めたほとんどの人とその後もご飯に行ったり、試合見に来てよ(これは少し無神経かもしれない)と言ったりしました(本当に来てくれてたのでセーフと思いたい)。
チーム、同期といえど親密さには個人差があるので同じ部にいてもそもそもあんまり話さない人やご飯に行かない人もいます。僕の場合はご飯に行ける仲の人が多く辞めたから、辞めた後もコミュニケーションをとれたのかもしれません。その時に声をかけた人たちとは今でも仲が良いです。もともと仲が良かったので当たり前かもしれませんが。結果的に関係は悪くなってないので声をかけて良かったと思います。でも、その声かけは彼らのためを思ってしたのかと言われると100%そうではないかも、と考えてしまいます。
むしろ、自分のためにそういうことをしたのかもしれません。

去る人と残る人

仲の良い人が辞めていくのは悲しかったです。いなくなることが寂しいのはもちろん、好きで入った部活を辞めたいと思ってしまうまで、何の助けにもなってあげられなかったことも悔しかったです。仲が良かった自分がそれをしなくて誰がするのか。
その罪滅ぼしで、辞めた後も声をかけたのかもしれません。
真面目な人ほど辞める素振りを見せず、突然いなくなってしまいます。心配をかけないようにしてくれてるのだと思います。君が突然いなくなってしまう方がよっぽど心は落ち着かないのに。おこがましいけれど、「辞めたい」「辛い」と言ってくれていたら何かできていたのかな、と思ってしまいます。
辞める決意をするのは大変なことです。辛いことがあって、もう部活には行きたくないと思って。1番辛い思いをしたのは辞める決意をした人だと思います。
でも、残された側には残された側の苦しみや悲しみがあります。助けになってあげられなかったこと、大切な友人が辞める原因になったものや人と自分は関わり続けること。僕は、そんな思いから救われたいために辞めた友人に変わらず声をかけたのかもしれません。

自分が引退する時に思ったこと

最後の試合が終わり、自分も大学バスケを引退。その日の夜の全体の打ち上げ後、4年生は1人ずつ後輩にメッセージを言います。
全国大会に行けなかったこと。試合に出れなかったけれど努力したこと。チームメイトや監督を信じること。みんなそれぞれの思いを残します。
せっかくだからみんなとは違うことを言おうと思い、普段からお笑い担当の僕はボケようと思っていました。何をボケようと4年間を振り返り、いざ自分の番が来た時には15個はボケを思いついていました。
でも、みんなの前に立って全員を見渡した時、心から話そうと思ったことは
「誰も辞めないクラブを作ってほしい」
でした。
好きなバスケを辞めたいと苦しむこと。助けになれなかったと悩むこと。辞めても残されても辛いのだ、とかなり真面目に話しました。たくさん泣いている子がいました。僕もめっちゃ泣きました。
こういう話を誰かにしたことはなく、自分の胸の中でだけ僕は考えていました。他の子たちもそうだったんだな、と思うともっと早く彼らの助けになってあげることができたかもしれない、と思いました。
いつも、気づくのが遅いなぁ俺は。
本当なら、一緒に最後のリーグ戦に臨み一喜一憂しながら戦い、最後の試合を迎えて一緒に泣きも笑いもするはずだった仲間がいなかった。
それは誰かのせいかもしれないけれど、自分のせいでもあったかもしれない。

誰も辞めないクラブを作るためには

僕にはできなかったけど誰も辞めないクラブを作るための方法は、「1番の居場所になること」だと思います。
辞める原因はいろんなことがあります。経済的な理由、時間的な理由、試合に出られないこと、人間関係。他にもいくらでもあります。どうしようもない理由もありますが、それらを跳ね除けるくらい部活が楽しいこと、悩みがないこと、居心地が良いこと、1人の問題に向き合えること。みんなの努力で居場所は作りあげられるのかなと思います。仲間の小さな悲しみや悩みに気づいてあげることが本当に大事です。
それってとっても難しいんですけども。

②へ続く

という感じで、今回の話はネガティブな理由で部活を辞めることについて語りました。論点は人間関係が主でした。②でバスケに論点を移して綴ります。
ちょっと重い話をしてしまいましたが、読んでくれた方には本当に感謝です。

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