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3年後の君へ

ここの桜は、普通よりも早く花を咲かす

3年前の今日、2月21日に
僕は今在学している大学の学部の試験を受けていた。

今でも覚えている
当日は曇っていて、寒い日だった。
カイロを学ランのポケットに入れて
満員電車の中
僕は使い古した参考書を読みながら
東京の試験会場へ向かっていた

3年後の僕は、のんびり10時まで寝て、
ゆっくり朝食を食べ、
昼下がりの今、散歩をしている。

いつも通りの道は、悲しいくらい静かで、
きれいで、暖かかった

もう冬の寒さはどこかへ行ってしまったのか
季節外れの黒いアウターのチャックを開けたり、閉めたりしながら川沿いを歩く

途中で早歩きの女の子に抜かれる

僕は別に気にならなかった

しばらく散歩をしていなかったことに気づきながら、
いつもの広場を目指した

そして、目の前にピンク色の花を咲かせる木を見つけた

最後に散歩したのはいつだっただろう

いつも見ているはずの木には思えなかった

知らぬ間に花を咲かせていたのだ

それを見た時、3年前の今日が大学入試最終日だったことに気づいた。

この桜を見なかったら、きっと今日もただの一日だったのだろう

散歩をしようと思わなかったら、普通の一日だったのだろう

幸せなんて そこら中 いっぱい落ちてるから
欲張らずに拾っていこう                            

そんなひびきを感じながら僕は今、3年前の自分と会話をしている

そして、今目の前で見ている

早とちりな桜は
誰よりも早く、僕に勇気を与えてくれるのだった

#エッセイ #桜 #大学受験 #散歩 #ミスチル #Mr .Children   #ひびき  

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