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【日録】能力を得る時間を待てない大人たち

私は,大学院生.研究内容の進捗度合いを会議でプレゼンしないといけない.そのプレゼン資料を作る際の能力の身に付き方について思ったことがあるので話す.

プレゼン資料作成能力に限らず,基本的なロードマップとしては
1.基礎知識の習得
2.基本的なスキルの練習
3.フィードバック ⇔ 反復練習
であると思っている.

問題はFBと反復練習を繰り返すフェーズで,たくさんの失敗をしないといけないと理解できないという事,深みが出ないという事.当然,時間がいる,根気がいる,許容能力がいる.
しかし,私が指導していただいている先生は同じ間違いを注意することが嫌で嫌で仕方ないみたい.
考え方や,思考の癖に限らず,体裁なども含め,自身の出力する質を変えることは容易ではない.これはこれまでの日常生活を振り返っても分かると思う.最も学習能力の高い乳児の時でさえ,歩くのにトライし何度もこけたはずだ.話せるようになる時でも,パズルやかるたをする時でも,2回目でできるようになったものはないだろう.学生でも,何回やっても解けない問題があったはずだ.習ったものをテストでは間違ったはずだ.
比較的吸収率の高い,つまり,学習スピードが速い思春期までの学習段階でさえ能力を得るには相当の根気とやる気と時間とトライ数が必要なのは明白である.
しかし,少なくとも私の接している大人はそれを許容しない.他のそれを許さない.同じ失敗を許さない.もちろん同じ失敗を少なくするという努力は必要だと思う.が,それは許容してしかるべきもので仕方のないものである.
すぐに結果を出さなければいけないこの社会で,能力を得るために長期的な視点と計画と根気強さを持つことはとても困難であるが,それでも,覚悟を決めてやっていくべきだと改めて感じた今日でした.


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