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はるから日誌_01 オープン1周年

こんにちは。はるから書店です。

下北沢のBOOKSHOP TRAVELLERに出店している、ひと棚だけの小さな本屋です。

BOOKSHOP TRAVELLERの店内。
ひと棚それぞれが違う本屋です。

2021年1月31日にオープンして、先月1周年を迎えました。
これを機に、これからはこのnoteで、お店の色々を綴っていきたいと思います。

1回目の今回は、あっという間に走り抜けた1年間を振り返ってみたいと思います。

1. たった6冊からのスタート

BOOKSHOP TRAVELLERは、ひと棚ごとに違う店主たちが出店している“本屋のアンテナショップ”のようなお店です。
全国の本屋を巡って記事を書いているライターの和氣正幸さんが管理人を務めています。

和氣さんのお人柄と、個性豊かな店主さんたちの選書に惹かれ、私もここで本屋を始めることにしました。

最初は、誰かにおすすめしたい大切な本を6冊選びました。それがこちらです。

  • 『生きるとか死ぬとか父親とか』ジェーン・スー

  • 『かるい生活』群ようこ

  • 『さよならのあとで』ヘンリー・スコット・ホランド

  • 『孤独の意味も、女であることの味わいも』三浦瑠璃

  • 『スヌーピーたちの人生案内』チャールズ・M・シュルツ

  • 『切なくそして幸せな、タピオカの夢』吉本ばなな

こうして振り返ってみると、いろんな意味の「別れ」が詰まった6冊で、ちょっぴり切なく、でも「はるから」らしい選書だったと感じています。
どの本も既に、誰かの手に渡りました。この本たちのどこか一文が、心の中にしまわれているといいな……と思います。

2. お客さんに、会えました。

オープンからしばらくして、本の納品のためにお店へ行くと、ちょうどレジにお客さんの姿が。
手にしているのは、あ!はるから書店のものです!

『生きるとか死ぬとか父親とか』ジェーン・スー

思わずレジで声を上げる管理人の和氣さん、ついつい話しかける私、驚くお客さん。

「この本、今度ドラマ化されるんですよ〜」
「へーそうなんですか〜」

家族とのいろんな向き合い方を考えさせてくれる一冊です。手にしてくれたあの人にとって、よい出会いになってくれているといいなぁ。

既にそれまでの間に本は売れ始めていたのですが、普段お店にいるわけではないため、お客さんとの交流はこれが初めて。本を手に帰っていく笑顔がとてもうれしく、お店を始めて良かったと思った瞬間でした。

ちなみにこの本はその後もたびたび棚に補充していますが、ドラマ化の影響もあって、とても人気です。

3. 本好きさん集まれ!

暖かくなってきた春先、下北沢のBONUS TRACKで開催されたブックマーケット「BOOK LOVER’S HOLIDAY #5」に参加しました。

この日は、BOOKSHOP TRAVELLERの店主さん達と交代制でお店番。ほかの店主の皆さんにお会いするのは、殆ど初めてだったので、とても緊張したのですが、皆さん優しく迎えてくださいました。

イベントに来てくださるお客さん達は本好きさんばかり。ですが店主の方たちも(言うまでもなく)無類の本好きさん。
「この装丁かわいい!」「こんな挿絵なんですね」「この本どこで見つけたんですか?」と、本の話に花が咲く咲く。

ちょうど桜も咲き始めたオープンエアーな空のもと、たのしい出会いがいっぱいの1日でした。

友人たちも来てくれてとても嬉しかったです。

4. 初めての1日店主

BOOKSHOP TRAVELLERでは、実際にお店に立つことができる「一日店主」というチャンスがあります。

私たち「ひと棚店主」は普段お店にいないため、どんな人たちが来店し、どんな本に興味を持っているのか直接知ることはできません。日々の売り上げや報告から想像することはできますが、本屋を始めたからには、やはり実際お店に立ってみたいものです。

ということで、秋になったある日、私は「一日店主」に初挑戦しました。

お店のロゴマーク入りエプロン。うれしい!!

朝の開店準備に始まり、ご案内、レジ、お客さまへの声掛け、何もかもが初めて!分からないことがあるたびに「和氣さ~~ん」と助けを呼んでいました。

本を手に取っていただくことの難しさも感じましたが、それを吹き飛ばすくらい、たくさんの本と人に触れあうことができ、とても楽しい経験でした。

友人たちも来てくれて感激。これからも少しずつ、お店に立てたらいいなと思っています。

5. アロマ書房さんとのコラボ

すっかり寒くなってきた頃、うれしいお誘いがありました。同じ「ひと棚店主」であるアロマ書房さんから、お店の店主たちにコラボのお誘いがあったのです。

店主が選んだ「大切な誰かに贈る1冊」に、アロマ書房さんがその物語をイメージした香りを作って販売するというイベント。
もともと私自身アロマにとても興味があったので、「参加します!」と前のめり気味に手を挙げました。

選んだ1冊は、よしもとばななさんの『海のふた』。これまでの人生で何度となく私の背中を押してきてくれた、大切な本です。

この本への想いをアロマ書房さんに伝えると、香りのサンプルが届きました。月桃の香りが使われていて、癒しとともにどこかスッキリと、背中が伸びるような、そんな香りです。

まさに大切な贈り物のように、ボックスに本とアロマスプレーがおさめられました。

この素敵なボックスを受け取ってくれる人はいるのかな……と気になっていたところ、うれしいお知らせが。

「ずっと気になっていて」と、知人がフェア最終日にお店へ駆け付け、購入してくれていたのです。

その方は、私がとても応援したいと思っていた方で、この1年、環境が変化する中、努力されている姿をずっと垣間見ていました。私が何度も励まされてきた『海のふた』が、素敵な香りとともにその方に渡ったと知り、本当に本当にうれしかった……!

7. そして1周年

年が明け、1月31日にはるから書店は1周年を迎えました。こうして振り返ってみると、この1年だけでたくさんの嬉しい出来事や、新しい出会いがありました。でも「あっという間だった」という思いが1番強いかもしれません。

今年チャレンジしたいこと、今後やっていきたいこと、はるから書店の思い描く未来はまだまだ広がるばかりです。どうか今年も、本と人のよい出会いがありますように。

この「はるから日誌」は、今後不定期に更新していく予定です!
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

はるから書店インスタグラム → @harukara_reading

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