春華 モモ @harukamomobooks

日記をつけたり、文章をかいたりしています。 京都と安曇野の二拠点生活中です。

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マガジン

  • 春華モモ 本の虫になる

    読書記録 春華モモの本棚

  • 巻貝日記 2023

    日記をつけるっていいな、と思っている。何か大きな出来事や感情が揺さぶられたことを記すのもいい。けれども、特になんにもなかったような、自分にとってはいたって普通の日常、その断片を書き留めておくことに魅力を感じている。  また、過去の日記を読み返すことにより、俯瞰的に自分を見つめることができることもいいな、と思う。自分では思っていなかったような自分が、その中に見えたりする。解っているようで実はわかっていない自分への理解を深めることができる。  自分を知ることは、自分の良い悪いをジャッジするためではなく、毎日を生きやすくするためのひとつの方法だと思っている。

  • をかしとあはれの和歌草子

    『古今和歌集』から『新古今和歌集』までの八代集より、季節の和歌を選び出して綴るエッセイ。

  • 季節の花、そして本

    小説に書かれた「花」を読み拾い、その「本」を紹介するエッセイ。

最近の記事

  • 固定された記事

はじめまして、春華モモ です

初めまして。春華モモです。「はるか もも」と読みます。京都の真ん中(四条烏丸)と、長野は安曇野での二拠点生活をしています。 人生も折り返しのお年頃となりました。どんな時もいつの時にでも時間、命は有限です。これは大昔からの普遍の事実。その中を自分らしく時を重ねて私自身の物語の筆を置きたいと思っています。 そこで、いよいよ人生の集大成、やりたかったことに取り組みます。 ものを書くこと、文章を編むことを仕事にできたらいいな、と学生時代に思っていました。けれど、大学卒業後にそれ

    • 春華モモ 本の虫になる#3 歌人ならではの言葉選びが美しい『とりつくしま』

      「死んでしまったあと、モノになって大切な人の近くにいられるしたら……。あなたは何になりますか?」 この数年、わたしの周りのさまざまな人たちがたくさん亡くなっていった。どの人が、誰が亡くなっても淋しく辛い。この世はすべてが限りあるものだと、これでもかというほど何度も突き付けられているようだ。 特に、可愛くて可愛くて目に入れても痛くないくらいかわいいと可愛がっていた、シーズーの花子が今年の初めにいなくなってしまったことは、大きな打撃だった。例えようのない悲しみに深くはまってし

      • 春華モモ 本の虫になる#2 好きなものを好きなように食べることは実は幸福度が高い『ひとりで食べたい』

        「好きなものを好きなように食べるということは、実はかなり幸福度が高いのではないだろうか」 家(京都自宅)では、わたしひとりで暮らしている。家が大好きなわたしは、ひとりで食事をする。それは、ほとんど毎日だ。 基本的に何事においても「作ること」が好きなので、料理、というか食べるものを作るのは、上手か下手かはさておき、嫌いではない。もちろん、作るのが面倒な時もある。そんな時は、近所のスーパーや大丸でその時に食べたいものを、そしてすぐに食べられるものを調達する。外食もするが、それは

        • 巻貝日記 2023.7月

           日記をつけるっていいな、と思っている。何か大きな出来事や感情が揺さぶられたことを記すのもいい。けれども、特になんにもなかったような、自分にとってはいたって普通の日常、その断片を書き留めておくことに魅力を感じている。    また、過去の日記を読み返すことにより、俯瞰的に自分を見つめることができることもいいな、と思う。自分では思っていなかったような自分が、その中に見えたりする。解っているようで実はわかっていない自分への理解を深めることができる。  自分を知ることは、自分の良い悪

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        はじめまして、春華モモ です

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        • 春華モモ 本の虫になる
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          4本
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          5本
        • 季節の花、そして本
          5本

        記事

          巻貝日記 2023.6月

           日記をつけるっていいな、と思っている。何か大きな出来事や感情が揺さぶられたことを記すのもいい。けれども、特になんにもなかったような、自分にとってはいたって普通の日常、その断片を書き留めておくことに魅力を感じている。    また、過去の日記を読み返すことにより、俯瞰的に自分を見つめることができることもいいな、と思う。自分では思っていなかったような自分が、その中に見えたりする。解っているようで実はわかっていない自分への理解を深めることができる。  自分を知ることは、自分の良い悪

          巻貝日記 2023.5月

           日記をつけるっていいな、と思っている。何か大きな出来事や感情が揺さぶられたことを記すのもいい。けれども、特になんにもなかったような、自分にとってはいたって普通の日常、その断片を書き留めておくことに魅力を感じている。    また、過去の日記を読み返すことにより、俯瞰的に自分を見つめることができることもいいな、と思う。自分では思っていなかったような自分が、その中に見えたりする。解っているようで実はわかっていない自分への理解を深めることができる。  自分を知ることは、自分の良い

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          をかしとあはれの和歌草子#5「引きこもる紫式部」

          いやいやでも時間は流れる 2023年の今年も半分が過ぎようとしている。早すぎると思うくらいに時間がながれていく。新入学や新入社、そして新しく始めたことなど少しずつその環境に慣れ始めたころではないだろうか。それとも、やっぱり新しい暮らしに慣れることはこの先ない、と思うほどに憂鬱な日々を送っているだろうか。    納得のできない場所への通学や通勤、新しいことをなんとか頑張ってやっていこう、と思うけれど、心が動かなくなり休みがちになっている人もいるかもしれない。なぜ心が動かなくなっ

          をかしとあはれの和歌草子#5「引きこもる紫式部」

          春華モモ 本の虫になる#1 子のために親としてできること。『せいいっぱいの悪口』

          子のために親としてできること。 昼ごはんを済ませた後は、ずっと読書をした。 昨日から読み始めた『せいいっぱいの悪口』。 読み始めは、今のわたしには何だか暗くて重い感じがして、 読みにくいし途中で止めようかしらと思った。(ごめんなさい) こう思ったのは、表紙カバーに、 なんて書かれていて、 暗くて重い感じがすると自分自身に植え付けたからかもしれない。 けれど読み進めていると文体や言葉の選び方に慣れてきたのか、 読了できそうな雰囲気になってきた。 p.118に登場する「た

          春華モモ 本の虫になる#1 子のために親としてできること。『せいいっぱいの悪口』

          巻貝日記 2023.4月

          4月4日(火) 安曇野   ライトアップされている桜 近所の寺でライトアップされている桜を今日も部屋から見ていた。満月に近い月は、霞が掛かるように雲が覆ったり、それが取れてぱあっと輝いたりを繰り返す。満月、新月の頃は部屋から月が見える。これも安曇野での楽しみのひとつ。月と桜を見ていたら、遠くの山に何やら縦に一本、山頂(?)に向かって明かりが連なっている。自動車?みんなどこに行くの?と見ていたけれど、その明かりは動いていないよう。いったい何だろう?と知りたくて母を呼ぶ。それは

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          巻貝日記 2023.4月

          をかしとあはれの和歌草子#4「紫式部の初出勤」

          春、新しく始まる 卯月の四月。新年度がスタートした。入社や入学などそれぞれの日常があたらしく始まる春である。就きたかった職業ややりたい仕事、入りたかった学校へと希望や願いは叶っただろうか。新社会人ではなくても、自ら進んでの転職、他者都合の離職、さらには今までしたことがないパートやアルバイトを新しく始めることもあるかもしれない。  納得できないことに携わる時、人は自らの不遇を嘆く。「なぜ、どうして私がこんなことを」と。他人に、世の中に、振り回される自分にうんざりしてしまう。春

          をかしとあはれの和歌草子#4「紫式部の初出勤」

          桜、そして「第三章 とある医者の死」~『最後の医者は桜を見上げて君を想う』より~

          今年の桜は咲き急ぐ 桜前線は北上し、ただ今は北海道に上陸中だ。今年の北海道は観測史上、もっとも速いスピードで桜が開花しているらしい。北海道だけではなく、どこの地域でも今年の桜はいち早く咲き、早々に散っていったようだ。 桜と三人の医者 死病の患者たちと彼らの病に向き合う対照的な医者二人との医療小説、 『最後の医者は桜を見上げて君を想う』。この本の最終章、第三章目の最後の場面にタイトルにも含まれている桜の花が登場する。対照的な二人の医師とは、その一人は患者の延命を諦めない医者、

          桜、そして「第三章 とある医者の死」~『最後の医者は桜を見上げて君を想う』より~

          桜、そして「春の狐憑き」~『桜の首飾り』より~

          桜の頃の京都 桜の頃。京都はとてつもなく大勢のひとでひしめき合う。日本中のひとがみんな京都に来ているのでは、と思うくらいだ。自動車で動けば駐車場はどこも満車で身動きが取れない。タクシー移動だと車が故障しているのでは、と感じるくらい動かない。市バスも乗客が多く、何台も待ち、やっと乗れたと思ったら、ぎゅうぎゅう詰めの車内で足が床に着かない。では、歩いてゆこうと外に出ると、これまた通りの横幅いっぱいに広がるひとの波。これが通りの縦にずっと続く。この人びとをかきわけて進んでいると、サ

          桜、そして「春の狐憑き」~『桜の首飾り』より~

          をかしとあはれの和歌草子#3「桃と桜と紫式部」

          春、麗しく動きだす 木蓮や水仙、チューリップに菜の花。フリージア、パンジー、そして桃の花や桜の花。色とりどりの草花、花木がいっせいに咲きだす、3月の下旬。鳥たちも木の枝の柔らかな花芽を美味しそうに啄みながら、楽しそうな話し声を聞かせてくれる。何よりも私たちの目に心に春の到来をもたらす、桜の開花宣言も各地で告げられる頃である。今年は止まっていた時が動きだし、数年ぶりに花見を満喫できる、まさに春爛漫といったところだろうか。  さらに、大谷選手やダルビッシュ選手たちが参加したWBC

          をかしとあはれの和歌草子#3「桃と桜と紫式部」

          チューリップ、そして『黒いチューリップ』

           今の時期、花屋にはチューリップがならぶ。開花期は早生、中生、晩生と分けられ、それらは、おおむね3月下旬から5月上旬。そもそもは、中東で栽培され、トルコからヨーロッパに16世紀以降に導入される。そしてイギリスやフランス、オランダにも渡り、人気を集めた。この人気ぶりは異常といえるくらいのもので、特にオランダでは「チューリップ狂時代」と呼ばれる約三年間があった。これについては学校の世界史で耳にした方々がいらっしゃることと思う。どれくらい狂っていたかというと、 と、当時はこれほど

          チューリップ、そして『黒いチューリップ』

          桃の花、そして『花桃実桃』

           桃には果樹と観賞用の花木の二種類がある。もちろん、どちらの樹木も花を咲かせる。そして、双方は中国が原産である。『古事記』には、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が亡くなった伊邪那美命(いざなみのみこと)を忘れられず黄泉の国を訪ねた時、伊邪那岐命は伊邪那美命との約束を守ることができず、雷神に追われることとなる。この雷神たちを桃の果実三個をとって追い払った、とされる記述がある。この神話は、桃は邪気を祓う、とする中国古来思想の影響を受けている(1)と考えられる。日本の昔話にある『桃太

          桃の花、そして『花桃実桃』

          水仙、そして『水仙』

           太宰治の短編に「水仙」という話がある。この作品は、菊池寛の小説『忠直卿行状記』をベースに、主人公である僕の身の回りで起こった出来事をなぞらえて展開する物語である。    まずは、この『忠直卿行状記』のあらすじを紹介しよう。 剣術の上手な若い殿様が、家来たちと試合をして片っ端から打ち破」り、「大いに得意で庭園を散歩してい」たところ、「家来たちの不用心な私語」である「いやな囁きが」聞こえてきた。それは、      「『殿様もこのごろは、なかなかのご上達だ。負けてあげるほうも楽に

          水仙、そして『水仙』