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朝に曲は書けない。

朝に曲は書けない。

哀愁もなければ悲観も無い。

清々しい空気に包まれて、今日をどう過ごそうと世界平等に与えられた朝という瞬間に、私はほんのり希望を抱き、色々なことを誤魔化されてしまう。

空はこんなに優しかっただろうか。

夜はずぶずぶと沈んだ身体でもがく、星を手に取れると勘違いをして。深い海のなか美しい絹のベールが舞っていると勘違いしたように。

誰も優しくなんかないくせに。なぜ笑いかけるの。

みんなが優しい気持ちを抱いてる。なんて美しい世界なの。

夜と朝で分断が起きる。

夜は星を総動員させ朝に向かって総攻撃を仕掛け、朝は焼きたてのパンの兵隊により星をコーヒーへと受け流した。

どっちが勝ったんだろう!
私は美味しく美味しくコーヒーをいただきながら、
やっぱり朝に曲はかけないもんだ、と
頭を抱えて苦悶する。

星はコーヒーにぷかぷか浮いている。


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