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250.真剣さは努力にも才能にも勝る

何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。

将棋の伝説的存在、羽生善治氏の名言です。

努力と才能は、様々な観点から一流の人たちの間で語られてきました。

努力に勝る才能はなし。
努力できることこそが才能である。
そもそも努力と才能を同列で語ることすらできないという意見や、綺麗事のように聞こえたりなど、様々な意見があります。

努力をすれば報われる、というのは少々安直な言葉のようにも感じますが、ただ報われていると思う人はもれなく努力と呼べるステップを踏んでいます。

どれほど天才でも、才能があると思われていても、人の見えないところでの努力というステップは必ず存在するように思います。

それは、元々の環境がどうとか、一部の人間だけに与えられた力だとかいうのとは別の話として、努力、頑張る、という行為を何かしら経ているわけです。

最近、『龍と苺』という将棋を題材にした漫画を知りました。

主人公は、とんでもない才能の持ち主。
現実ではなかなかあり得ないぐらいの展開になっていくのですが、とにかく惹き込まれる。

こんなこと実際にあるはずがない、と思いながら、心の何処かでそんな世界を信じている。
そんな淡く儚い思いを体現しているのがこの漫画の主人公、藍田苺。
彼女は恐るべき速度で才能を開花させていきます。

持って生まれた才能のように見せかけて、それは圧倒的な努力だったりします。
経験時間の長さは埋められませんが、経験値なら限界まで速度を上げられる、そんな無茶苦茶な頑張り方もしています。
あの手この手、いろんな方法や角度で人と向き合い、自分と対峙し、強くなっていく、そんな少女を描く物語です。

才能と呼べるものはなんだろう、と考えたところ、この漫画では特に勝負観についてよく書かれていました。

苺はまるで勝負師のように仕掛けたり思い切った手を打ったりします。
どれだけ相手が強かろうと、自分が勝つことだけを信じて臨んでいます。
勝負にかける想いが、格段に違います。

命を懸けるような。
勝つか、死ぬか。
そんな強制強要されない世界線を一人で生きているように感じるのです。

本当に、負けたら命を取られるんじゃないか。
その姿勢こそが、苺の最も凄まじいところです。

「真剣」という言葉があります。

一生懸命とか全力という言葉では、苺の将棋に対する勝負観は表現しきれません。

真剣。
真の剣、です。

命を懸けるほどの想いで何かに取り組めることこそが、その姿勢を遺憾なく発揮できることこそが、才能の一つなのではないかと考えています。

ずば抜けた結果を出す人は、まるで取り憑かれたかのように鍛錬に励みます。
そんなにしなくてもいいのに、と思われるほど真剣に物事に取り組みます。

この真剣さこそが、努力にもつながり、才能と称され、大きな事を成し遂げる要素になっているのだと思います。

努力をするから報われるわけでも、才能があるから結果になるわけでもありません。

真剣。

この感覚は、大事にしようと思います。

人生たったの一度きりです。

努力も才能も大切ですが、真剣に生きるという自分の姿勢そのものを、常に大切にしようと思います。

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