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207.この感情を名付けるとするなら
『君は放課後インソムニア』という漫画を発掘しました。
発掘、という表現がいかにも適切で、文字通り掘り出したように現れた作品です。
不眠症に悩む高校生・中身丸太は、文化祭の準備を抜け出して入った物置になっている天文台で同じく不眠症の曲伊咲と出会う。
二人は秘密の場所を共有することになり…?
読んでみると、これがまた、いい。
何というのだろう、思い当たるあの頃を思い出したり、こうであったらいいなと思っていた切ない願望のような場面も散りばめられていて、ノスタルジックというか、甘酸っぱいというか、とにかくエモい。
こうした空気感を醸し出している物語や作品が、僕は昔から大好きなのです。
「エモい」という一言でまとめられそうな想いだけれども
「エモい」という言葉は非常に便利です。
ヤバい、並に便利で、代用が利いて、それでいて危険な表現だと思います。
思考停止するのです。
ヤバい、でもある程度伝わっちゃうので。
何が適切で、自分の想いを正確に表していて、そのまま伝わる感覚として生まれる言葉なのかわからない。
でも、確かに存在する。
そんな感情に、なんて名前を付ければいいんだろう、と思うわけです。
その感覚は僕の創る物語にも大きく影響してきています。
甘酸っぱさを、ほろ苦さを、切なさを、希望を、幸せを、いろいろ丸ごと噛み締められるただその一瞬に向けて、僕はよく物語を展開させて収束させています。
様々な感情たちを丸ごと感じたいのですから、丸ごと表現できる言葉が存在すれば解決するわけですが。
そう思うと、確かに「エモい」という表現はあまりに広く包括しているが故に、僕の想いの近似値のような気がしなくもないのです。
まあ何であれ、そんなきらびやかな感性の弾丸に、僕は数年に一度のペースでものの見事に撃ち抜かれています。
僕の感性にヒットしてきた作品たち
作品といっても、いろんなジャンルがあります。
もちろん弾丸はたくさんの作品となって僕の身体をかすめていきましたが、特に、今もなお心臓を撃ち抜かれ続けているような珠玉の作品は、こちらです。
『あのとき始まったことのすべて』 中村航
『四月は君の嘘』 新川直司
『氷菓』 米澤穂信(京都アニメーション)
『響けユーフォニアム』 武田綾乃(京都アニメーション)
他にもありますが、当時から今もダントツの作品たち。
小説、漫画、アニメと媒体も様々展開されていますが、好きなのは小説のこれ、漫画のこれ、アニメーションのこれ、といった感じなのです。
さて、こうした瞬間を求めて、僕は作品と共に、物語と共に生きて、そして創り出そうとしています。
感性は経験から滲み出てくるものですから。
書くのではなく、表現するのです。
表現するに値する、創り出したい世界に相応しい人間になります。
日々いろんな経験ができることに感謝。
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