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第十幕:冬の本公演11 ミュージカル研究会の頃-汗と涙の青春ストーリー-

主人公が生きようとするきっかけを与えるシーンであり、とても感動的だった。

そして、いよいよクライマックスに近づいていく。
主人公に象たちは同じことを二度問いかけるのだ。

”どうして写真をとろうと思ったの!?”
”どうして写真をとろうと思ったの!?”

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ここで象たちは、主人公の学生時代の友人にかわる。

「いいよな、お前はやりたいことがあって、うらやましいよ!」
「今度写真とってね!」

などと、主人公が取りたい写真をとっていた頃のことが思い出される。それを終えると、象たちは役目を終えて、静かに去っていく。

主人公は静かに、過去を思い出して、歌い始める。
カメラマンである主人公が本当にとりたかったものは何だったのであろうか……江夏さんのソロである(本公演の時は寝不足やら練習やらで、倒れないか心配になるほど江夏さんは頬もこけやせていき、主人公にぴったりの風貌になっていた。ここでは、夕陽に照らされた江夏さんが本当に格好良かった)。

”おれはいつも みつけだしたいと思ってた”
”ささやかな、たいせつな何かを”
”晴れた日の白い道 子供の笑う声、夕方の空にとける風”
”小さなフレームの中に切り通った風景”
”光がにじむように優しく輝くものたち”

”つかまえて伝えたい”
”名前もない何か”
”はじめてであったのに、懐かしい風景”
”俺が本当にとりたかったのは、そういうものだったのに…”

ここから、彼女である精神科医の女医が、寝たきりの主人公に呼びかけるシーンにうつる。治療のため、過去の記憶を呼び起こすのだ。

”あの日俺は何を取りたかったのか!?”
間(はざま)の世界で葛藤する主人公が叫ぶのである。

ここで謎の男も登場して、いよいよクライマックスに向かう。
主人公と謎の男の見せ場から、彼女も加わる。

つづく…(続きを見たい方は、ハルカナル屋根裏部屋へ!)

第一幕:未知なる舞台へ!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/第一幕:未知なる舞台へ!

第二幕:衝撃! 初役はみんなが大嫌いなあれ!?
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act2

第三幕:最初の公演
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act3

第四幕:夏の発表会
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act4

第五幕:脚本会議、夏の陣
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act5

第六幕:夏休みも大変!? 音響スタッフで出陣!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act6

第七幕:夏合宿
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act7

第八幕:猫たちが大騒ぎ!?
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act8

第九幕:試練の秋
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act9

第十幕:冬の本公演
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act10

登場人物

-新人-
僕:元帰宅部。歌、ダンス、芝居、3拍子そろわない珍しい新人。しかも、入部したのが2年生の時だったため、振り返るとかなり浮いた存在だった。
岩尾…親友。2浪しているフリーターながら、ミュージカル研究会に入る。
鉄郎:某都内に通う高校時代、伝説となった男。野性的で、繊細で、躍動的で、とても頭がよく、次元の違う存在感を放っていた。どこを行くのも裸足で歩いていた。
冴子…高校時代は声楽をやっており、作曲ができた。才能にあふれており、同期で最初に頭角を現した存在だった。彼女の作る曲は作品にしっかり寄り添いながらも、さらに作品を高めるような、素晴らしい曲が多かった。のちにNHKのみんなの歌に曲を提供した。
優有:歌と芝居が大好きで他の女子大学からミュー研に通っている。穏やかで性格が良く、みんなから好かれており、脚本家の坂上さん、美也子さんらに気に入られ、たびたび彼らの作品に主役で出演することになる。
芽衣…大阪出身でのりやよく、ダンスが好きだった。若くして亡くなってしまい、この作品を書くきっかけになった存在の1人。

-中人(2年目)-
美也子さん:容姿は少しボーイッシュで、性格は物静かで控えめ。宮沢賢治を愛しており、彼女が生み出す脚本は、独特で素晴らしい世界観だった。
江夏さん:新人の時はぺけをつけられていた僕や岩尾とかなり距離があり、あまり話す機会はなかった。坂上さんとおなじ愛知出身で、師匠と弟子のような間柄だった。普段はちゃらんぽらん、三枚目だが、ミュー研への思い入れが人一倍強く、男子では歌、ダンス、芝居が一番うまかった。とても個性があり、 後に百萬男 – フジテレビに出演した。
時子さん: 歌・ダンス・芝居、すべてのレベルがトップクラスの先輩だが、怒ると鬼より怖く、男子全員に恐れられていた。
松田さん:初対面の時に「俺、次の舞台で主役とっちゃうよ!」と言ってのけた自信家。実際は繊細で神経質な一面もある。一方でできの悪い後輩を気にかけ、面倒見の良い一面もあった。
夕実さん:松田さんの彼女。小柄でかわいらしく、親切な先輩。


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