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第八幕:猫たちが大騒ぎ!?8 ミュージカル研究会の頃-汗と涙の青春ストーリー-

しかし、研究者はそんなネズミを逃がすはずもなく、スリッパで地面を叩く。
すると、ネズミはびっくりして動けなくなる習性があり…脱出は失敗、子供の主人公だけは何とか彦一に助け出されたのだが…その他のネズミたちは、けむりにいぶされて苦しんで死んでしまうのだ。
主人公はそれをみて”やめろ、やめてくれ!”と叫ぶのである。

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ここでまた謎の男の真壁さん(幹事長)が出てきて、重たく沈む主人公を励まし、”ミュージックスタート”と指を鳴らすと、うってかわって、楽しい雰囲気。そこは猫たちのバーという流れだった。
猫たちは”明日のことなどわからない!”なんて気楽に歌っているのだ。

ここに、猫のマスターの僕も登場し、例の”ハツカネズミのスライスでさあ!”なんて、ネズミたちの世界でひどい光景を目にして落ち込む主人公の傷にからしを塗るようなことを言うのである。
シビアなネズミたちのシーンに対して、猫のシーンはうってかわって楽し気なシーンである。

しかし、本当にとりたい写真があった主人公が社会の壁、現実にぶつかる会社時代が回想されたり、お腹をすかした主人公が、泣きながらネズミを食べるシーンがあったり、実はとても痛みがともなうシーンでもある。
ネズミ-猫-象と主人公は動物の世界をめぐるが、猫はつなぎのシーンとして、また主人公の痛みを現す場所として存在していた。

つづく…(続きを早く見たい方は、ハルカナル屋根裏部屋にアクセス!)

第一幕:未知なる舞台へ!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/第一幕:未知なる舞台へ!

第二幕:衝撃! 初役はみんなが大嫌いなあれ!?
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act2

第三幕:最初の公演
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act3

第四幕:夏の発表会
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act4

第五幕:脚本会議、夏の陣
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act5

第六幕:夏休みも大変!? 音響スタッフで出陣!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act6

第七幕:夏合宿
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act7

第八幕:猫たちが大騒ぎ!?
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act8

第九幕:試練の秋
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act9

登場人物

-新人-
僕:元帰宅部。歌、ダンス、芝居、3拍子そろわない珍しい新人。しかも、入部したのが2年生の時だったため、振り返るとかなり浮いた存在だった。
岩尾…親友。2浪しているフリーターながら、ミュージカル研究会に入る。
鉄郎:某都内に通う高校時代、伝説となった男。野性的で、繊細で、躍動的で、とても頭がよく、次元の違う存在感を放っていた。どこを行くのも裸足で歩いていた。
優有(NEW):歌と芝居が大好きで他の女子大学からミュー研に通っている。穏やかで性格が良く、みんなから好かれており、脚本家の坂上さん、美也子さんらに気に入られ、たびたび彼らの作品に主役で出演することになる。
芽衣…大阪出身でのりやよく、ダンスが好きだった。若くして亡くなってしまい、この作品を書くきっかけになった存在の1人。

-中人(2年目)-
美也子さん:容姿は少しボーイッシュで、性格は物静かで控えめ。宮沢賢治を愛しており、彼女が生み出す脚本は、独特で素晴らしい世界観だった。
江夏さん:新人の時はぺけをつけられていた僕や岩尾とかなり距離があり、あまり話す機会はなかった。坂上さんとおなじ愛知出身で、師匠と弟子のような間柄だった。普段はちゃらんぽらん、三枚目だが、ミュー研への思い入れが人一倍強く、男子では歌、ダンス、芝居が一番うまかった。とても個性があり、 後に百萬男 – フジテレビに出演した。
時子さん: 歌・ダンス・芝居、すべてのレベルがトップクラスの先輩だが、怒ると鬼より怖く、男子全員に恐れられていた。
松田さん:初対面の時に「俺、次の舞台で主役とっちゃうよ!」と言ってのけた自信家。実際は繊細で神経質な一面もある。一方でできの悪い後輩を気にかけ、面倒見の良い一面もあった。
夕実さん:松田さんの彼女。小柄でかわいらしく、親切な先輩。

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