ファンのピラミッド構造を理解する
こんにちは、DL同人漫画家のハルヒスキーです。
2022年9月29日のお絵描き配信での、DL同人教室のスライドです。
テーマは「ファンのピラミッド構造を理解する」です。
作家に関心を持つ人は、行動によって「フォロワー」「顧客」「ファン」の三種類に分類できます。「フォロワー」から「顧客」へ、「顧客」から「ファン」への移動が、作家に利益をもたらします。そのためには、作家はコミュニケーションによって好感を得なくてはなりません。
ファン構造を理解する
クリエイターであるあなたに興味を持っている人は、「フォロワー」「顧客」「ファン」に分類できます。それらの属性は、ピラミッド状、もしくは同心円状に分布します。
「顧客」や「ファン」を増やすことが、作家の広報・宣伝活動の目的です。
あなたに興味を持っている人々がいます。その人たちは、PixivやTwitterなどのSNSであなたをフォローします。彼らを「フォロワー」と呼びます。
人が「フォロワー」になる際のハードルは、フォローボタンをクリックすることだけです。ですが、通常、それすら高いハードルになります。
「フォロワー」はあなたの作品に関心を持っていますが、まだ、あなたの商品を購入していません。最後まで買わない人もいます。
この層が潜在的な「顧客」になります。
次に、あなたの商品にお金を払う人々がいます。「顧客」です。
彼らは、あなたの作品に、価格通りの価値があることを認めました。ですが、もう一度あなたの作品を購入するかはまだ決まっていませんし、あなたのことを特別好きなわけでもありません。
まだ、お試しのギブ&テイクの関係が成立したにすぎません。「顧客」が、熱心なリピーターである「ファン」になるかどうかは、作品の質と、あなたのコミュニケーション次第です。
最後に、あなたやあなたの作品に愛着を持つ人々がいます。彼らこそ、「ファン」です。
ファンは、単なる等価交換やギブ&テイクを越えて、作品をリピート購入したり、良い評判を口コミで拡げてくれたりします。作家のファンが増えるのは、一つにはファンの活動によるものです。
たとえば、DL同人において、作品レビューは絶大な効果を持ちます。数千DLされている作品でも、感想付きのレビューは数件しか投稿されないことがざらにあります。しかも、レビュー投稿は批判的な視点でなされることが多いです。
そんな中、熱心なファンが好意的なレビューを本気で書いてくれるとすれば、その販売促進効果は非常に大きいです。誰でも、評判のいい商品を買いたいからです。
この「フォロワー」「顧客」「ファン」は、固定的なものではありません。むしろ、どんどん参入離脱がなされるのが普通です。
その中で、リピート顧客である「ファン」をどれだけ増やせるかが、あなたの商品の販売数を決めます。
例えば飲食店では、初見の客の五人に四人は、二度と来店しないそうです。それだけ、リピーター=「ファン」の獲得は難しいのです。
この離脱率をどう下げるかが、「ファン」拡大の鍵になります。
どうやって「ファン」を増やすか
基本的には、継続して作品(商品)を作っていくことです。この後説明することよりも、作品作りが優先されると思ってください。
なぜなら、「フォロワー」も「顧客」も「ファン」も、根本的にはあなたの作品が目当てだからです。
「ファン」に好感を持ってもらうためにコミュニケーションをして、そのせいで作品作りがおろそかになれば、本末転倒です。
さて、作品作りを前提として、どのように「ファン」を増やしていくかですが、「認知の拡大」と「好感度の上昇」の二つのステップがあります。
認知の拡大:「フォロワー」を増やす。TwitterやPixivでの活動。二次創作など、既存の需要に合わせると、拡散力が高い。ただし、それらで獲得した「フォロワー」が必ず「顧客」になってくれるわけではない。
好感度の上昇:コメントやリプライへの応答や、配信などでのコミュニケーションを行う。ただし、時間的コストがかかる。
大切なのは、相手を尊重することです。おざなりに扱われて嬉しい人はいません。
多くの人のフォローを集めるクリエイターは、ともすると傲慢になりがちです。ですが、その人たちはクリエイターの人格を好んで集まっているわけではなく、作品に興味を持って集まっています。自分の言動が支持されていると勘違いすると、手痛い炎上を招くことがあります。
NGな行動
せっかくSNSで「フォロワー」を集めても、行動次第では好感を失ってしまいます。しかも、「フォロワー」が多い分、そのダメージは大きくなります。
基本的に、作家は、企業アカウントのように振る舞うのがいいと自分は考えています。
NGな行動①:作品制作をおろそかにする。
「フォロワー」は作家の行動を見ています。作品作りがおろそかになれば、信頼を失います。
NGな行動②:ネガティブな発信。
作家も人間ですので、ネガティブな気分になることはあります。ですが、思い出してほしいのは、ネガティブな発信を「見たい」と思う「フォロワー」はいない、ということです。誰もその発信を望んでいません。
どうしても自分の中の愚痴を吐き出したいのならば、無関係の別アカウントを作ってそこでするべきだと思います。
NGな行動③:対立点を作る。
ネットには色々な意見や立場を持った人がいます。あなたの「フォロワー」の属性はバラバラです。あなたが特定の意見や立場を表明したり、批判したり、攻撃したりすれば、あなたはその人たちの支持を失います。
作家が意見を持つな、ということではなく、作家としてのアカウントでやるべきではない、ということです。
NGな行動④:影響力を悪用する。
「フォロワー」は作品に惹かれて集まっています。ですが、そのフォロワー数を、さも自分の意見の影響力のように使ってしまうと、しっぺ返しを食らいます。
ネットでは簡単に信頼を失います。そして、それが回復するのには時間がかかります。
作家としてネットで広報活動をするのであれば、その点に強く注意するべきだと思います。
動画版はこちらから。
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