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再会の街で
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
『再会の街で』を観た。『ワンダと巨像』めっちゃ出てたね。演技派ふたり。悲しみの海に呑み込まれ苦しむ人。淡々と地味だけど、丁寧な作品。
— もりはるひ (@haruhi_mori) February 11, 2016
2007年のアメリカ映画。仕事にも家庭にも恵まれた歯科医アランは、大学時代にルームメイトだったチャーリーと偶然ニューヨークの街で再会する。しかし彼は 9.11 テロで大切な家族を失くし、深い悲しみと孤独の底に沈んだまま現実逃避を続けていた――。
計り知れない「喪失」と、それぞれの心に向き合ってゆく様子を描いたヒューマンドラマ作品です。原題 "Reign Over Me"。
出演は、歯科医「アラン」役に『ホテル・ルワンダ』、『オーシャンズ』シリーズ、『天使のくれた時間』のドン・チードル。心に大きな喪失感を抱える「チャーリー」役に『50回目のファースト・キス』のアダム・サンドラー。
共演に、『アルマゲドン』のリヴ・タイラー、『プライドと偏見』、『ミニミニ大作戦』のドナルド・サザーランド、ほか。監督は、マイク・バインダー。
きっかけは『ワンダと巨像』
わたしがこの作品を観ようと思ったきっかけは、名作ゲーム『ワンダと巨像』。
最後の一撃は、せつない。
のキャッチコピーで有名ですよね。(少なくとも、わたしのようなゲーム好きの間では)
ゲームデザイナー/アートディレクター上田文人さんの作品で、上田さんは『ワンダと巨像』のほかに『ICO』(イコ)、『人喰いの大鷲トリコ』を手掛けています。
・・・
わたしは、上田さんの作品が織りなす独特の世界観が大好き!♡ 美しくて、壮大で、静謐な世界を体験させてくれます。
グラフィックの美しさ。
“しん” と静かな世界への没入感。
感動で嗚咽してしまうほどのストーリー。
ゲーム性(遊びとしての楽しさ)も、オリジナリティ溢れるアイディアに富んでいて、素晴らしい!
・・・
それではここで、わたしが各作品をプレイしていた頃の過去ツイートを見てみましょう!
○『ICO』(2001年発売)
『ICO』が面白くて、プレイしだすとなかなかやめられない♫ 並行して息子もプレイを進めているので、お互いネタバレしないよう、他方が外出しているときに謎解きを楽しんでいます。あーん、はやくつづきをやりたいようー♡#ICO #PS3
— もりはるひ (@haruhi_mori) December 24, 2013
時間をみつけては、『ICO』をすこしずつプレイ中。お城の建物が複雑で、探検が超たのしいー! 謎解きがビンゴだったとき、超うれしいー! 風の音。鳥の声。謎解きに詰まったとき、ヨルダがヒントを教えてくれるタイミングも絶妙。このゲーム、大好きだぁぁ!♡ 年内にクリア→2周目がたのしみ♫
— もりはるひ (@haruhi_mori) December 27, 2013
『ICO』、一周目クリア。いやぁーーー、もう、すばらしい!!! すばらしいとしか言いようがないです。ラストのスタッフロールで、泣いた泣いた。はぁー…♡(遠い目で余韻に浸る) 上田文人さん、ありがとう!!! 二周目も、めいっぱい楽しみます!#ICO #PS3
— もりはるひ (@haruhi_mori) December 30, 2013
○『ワンダと巨像』(2005年発売)
MGSVTPPが出るまで何か遊べるソフトが欲しいな、と買った『ワンダと巨像』。きょう、ようやくクリア。アグちゃんが…アグちゃんが…涙。嗚呼、アグロ可愛や。『ICO』の方がどちらかというと好みではあるけれど、『ワンダと巨像』、猛暑の夏に涼を感じる良作ゲームでした。
— もりはるひ (@haruhi_mori) August 4, 2015
○『人喰いの大鷲トリコ』(2016年発売)
待ちに待った念願の『人喰いの大鷲トリコ』が届きました! 本作を遊びたいがためにPS4も同時購入。ワクワク。早速プレイ開始〜♩ とりあえず、トリコが可愛い♡(*´꒳`*) そして、主人公の少年は相変わらず驚異的な身体能力です。笑 「イーソイソイ♡」 #人喰いの大鷲トリコ #PS4
— もりはるひ (@haruhi_mori) December 11, 2016
『人喰いの大鷲トリコ』、クリアしました! 余韻で胸がいっぱいです。
— もりはるひ (@haruhi_mori) December 30, 2016
7年待った甲斐があった! この作品をプレイするためにPS4買った甲斐があった!
はぁ〜〜、放心状態……(˚ ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )
トリコぉぉぉ〜〜〜!!!涙#人喰いの大鷲トリコ pic.twitter.com/OORlczCOZP
ああ……楽しかったなぁ♩……(回想中)笑
映画の内容と、ちゃんとリンクしていた
どの作品も、プレイ中はもちろん、クリアした後の “余韻” まで、夢中になってどっぷりハマりました。同じゲームをクリアしたほかの人の感想を読み漁ったり、制作話や関連情報をネットでサーフィンしたり――。
そうこうしているうちに、この映画『再会の街で』を見つけたのです。
作中に、『ワンダと巨像』をプレイしているシーンが結構がっつり出てくるよ!
との情報。早速、観てみることに――。
おお、ほんとだ。めっちゃ言及している。(『ワンダと巨像』の英題:Shadow of the Colossus)
実際に作中でプレイしているシーン。
噂どおり、結構、長々と使われていますね~!
・・・
深い悲しみに心を閉ざしたまま、自分だけの世界に引きこもり頑なに心を開こうとしないチャーリー(アダム・サンドラー)。そんな彼に、大学時代の友人アラン(ドン・チードル)は「何かしてあげたい」一心で。
痛々しくて見ていられない。
放っておけない。
と行動するアランは心の優しい “いい人” なのですが、チャーリーの痛手は深く、(少し病的なまでに)殻にこもり続けます。
なんとかしたいアランが「自分にできることは何だろうか?」と試行錯誤する中での、このゲームのシーンなんですよね。
・・・
きょう、この記事を書くにあたって『ワンダと巨像』が懐かしくなり、ゲームのクライマックスからエンディングまでの動画を YouTube で観てみました。
【ネタバレ注意】
下記の動画は、重大なネタバレを含みます! 未プレイの方は閲覧注意!
(ゲームをクリア済の方のみ視聴を推奨します)(ほんとうに!先に観ちゃったら超絶もったいないので!)(←実のところ、リンクを貼るかどうかも悩んだ人)
で、思い出したのです。
ああ。このゲームは――
「喪失」と「再生」
を描いている作品だったんだ。と。
映画の内容と、ちゃんとリンクしていたんだなぁ。
人の心を「開かせる」って
はじめアランは、深い深い悲しみと孤独の底にいるチャーリーの現状を見るに見かねて、なんとかチャーリーの心に近づこうとします。一緒にゲームしたり。一緒に外出したり。
やがて、寄り添っているだけでは埒が明かないのでは? と、セラピストに会わせてみたり。
でも――
「立ち直らせる」って、なんだろう?
「心を開かせる」って、なんだろう?
英語の "make+(誰々)+(状態)" に似たニュアンス。使役と強制を含んでいる感じ。そこにちょっと違和感。
やり方をひとつ間違えば、本人が求めてもいないのに押しつけ……的な「介入」になってしまう。心の問題は、とてもデリケート。
チャーリーにしてみたら、いまだ癒えていない、傷口の開いたところに、無理やり火箸を突っ込まれている感覚なのでは? ――とも感じました。(うわぁ、痛い!>< )
・・・
終盤、必死にチャーリーを救おうとしていたアラン自身も、実は周囲の身近な人に対して心を「閉じて」いたことに気づきます。チャーリーとは違って、自他共に気づかないレベルで無意識に「閉じて」いた心――。
恵まれた生活を送りながらもアランが息苦しさを感じていたのは、そのせい。
そこに気づかせてくれたのは、チャーリーだったのですよね。
演技派ふたり。
悲しみの海に呑み込まれ苦しむ人。
淡々と地味だけど、丁寧な作品。
と感想ツイートにも書いた通り、人間の心の機微を丁寧に描いた良作です。
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