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敵は本能寺??

つい先日、とある事務処理の改善について打ち合わせの機会がありました。お客様から受けた注文を、コンピュータに入力している方々に、話を伺いました。

毎日大量の注文の入力を行っている人たちには頭が下がります。お客様からの注文は、電話、メール、FAX、などさまざまです。それぞれが、自社独自の注文書レイアウトを使用するので、受ける側は、そこに記載された内容を頭の中で変換し、理解する必要があります。注文の形式をすべて同じにして、RPAで効率化を検討したいところです。

「注文の形式をすべて同じにして」というのが、まず難しいようでした。単純に考えれば、ネットに注文用の画面を用意して、お客様にそこから入力してもらえば済む話です。もし、量が多くて無理ならば、定型のレイアウトを示しておいて、注文データをそのレイアウトで受け取ればいいだけです。

まぁ、他人事のように言えばそうなのですが、当事者には必ずいろいろな言い分や事情があります。そう簡単にはいかないケースがあるので、難しいですね。

さて、打ち合わせを行った現場では、当面、注文をコンピュータに入力するという事務は継続する前提で話をしました。その中で、時間を要している仕事として、入力結果のチェックというものがありました。

Aさんがコンピュータに入力すると、システムから「チェック用リスト」という紙が印刷されます。Bさんは、その紙と、コンピュータの画面、お客様からの注文書を見比べながら、入力内容に不備がないか確認します。確認しながら、紙にボールペンでチェックを入れる。そういった作業です。かなり時間もかかるし、負荷も高いと感じている様子でした。

あと、話はそれますが、「チェック用リスト」というのはA4の紙です。フォントは新聞や雑誌に使われるのと同じような大きさなのですが、ある年齢以上の方々にとっては「読みにくい」「目が疲れる」という声もありました。

老眼というのは、他人ごとではなくて、誰にでもいつかやってくるものです。高齢化社会の課題としては小さすぎるネタではありますが、老眼の人が使いやすい用紙や画面を工夫するということも、今後もっと考えるべきでしょう。生産年齢人口が減少するなか、年齢の高い方々を活用できる場所を増やしたほうが、企業にとってもメリットがあると思うのです。

さて、話を「チェック用リスト」に戻します。

今どき、そんな面倒な事務作業をやっているの?

そう思う方もいるかも知れません。けれども、結構あります。ホントの話です。

とりあえず、いきなり大改革は無理そうだと感じました。そこでまず、「チェック用リスト」という紙の代わりに、「チェック用画面」を作って、画面で確認しながら、ボールペンでチェックするのでなく、マウスでボタンをクリックしていくという方法を検討することにしました。

担当者のみなさんの反応は....

「絶対無理ー!!」という人はいませんでした。(ほっとしました。)けれども、大喜び!!という感じでもありませんでした。

「どんな感じになるのか、イメージがわかない。」

という意見が多数を占めました。

では、次回までに、どんな感じか、項目を表示して、ボタンをクリックできる程度の「チェック用画面」のサンプルを提示します。ということで、この日の話は終わりました。

さて、「チェック用画面」。これからが大切です。

負荷が高いと言いながら、紙とボールペンを使った作業に慣れ親しんでいるというのも事実です。今までと違った方法に変えようとすると、どんなジャンルでも、どんな些細なことでも、必ず抵抗を感じる方がいらっしゃいます。


私個人も、赤ペンや黄色のラインマーカーを使った事務処理の経験がありますが、頭の働きと手の動きの相性がいいというか、メリットを感じる部分もあります。(まあ、これも個人差とか世代差があるかも知れません。)

何が言いたいかというと、一概に紙やボールペンが悪いとは言えないということです。今回の事例では、処理時間の短縮、履歴の保存、事後の検索性の高さ、といった面から、「チェック用画面」の優位を示したいと考えています。それに、画面なら、先ほど述べた老眼の件も問題なくなります。それぞれが、自分の見やすい大きさで見ることができるのですから。

理屈ではそうなのですが、とにかく、感覚的に

「紙より便利そう!」

と思ってもらえなければ、次はありません。少なくとも、興味を持ってもらえるモノにしなければ。そう。敵は本能寺....っぽく言うと、

「敵は紙とボールペン」

なのです。長年親しんだ作業より、魅力を感じてもらえる画面を作る!!

ときは今 天が下しる 五月哉

大変になりそうです。

でも、余裕のない人生は燃える

っていう歌もあるくらいですから。楽しんで、やっていきます。

ちょっと思うところもあり、備忘のために書いた文章ですが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ちなみに私は、明智光秀よりは、織田信長のほうが好きです。

kindleでもいろいろ書いていますので、読んでAmazonに感想など書いていただけると嬉しいです。


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