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ChatGPTに必須の質問力は読書と想像力で磨かれる

 占い講座の準備とライティングの仕事が忙しく、やっと締め切りを乗り切ったので、久々の更新です。実は今日の午前中、精神科医・樺沢紫苑先生が9月1日に発行予定の『読書脳 新版・読んだら忘れない読書術』が手元に届いたので、なぜこの本を予約購入したのかというお話をしたいと思います。それは個人的に入っているWEB戦略セミナーで試してみたChatGPTが動機の一つになっているのです。

テーマは読んで忘れない読書術

ChatGPTでコピーライターが失業する時代に!!

 先日、NHKのニュース番組でChatGPTのおかげでアメリカのコピーライターが失業したと報道していました。コピーライターが書くのに15分かかる広告コピーをChatGPTは15秒で書けてしまう。内容も問題ないので、広告会社は彼を解雇したというのです。私はコピーライターではありませんが、占い師のほかにライター&ジャーナリストもやっていますので、衝撃を受けました。

ChatGPTを活用するには「質問力」が不可欠

 たまたま数日後にChatGPTを使ってみる機会があったのですが、その体験から感じたのは、「ChatGPTを使いこなすには質問力が不可欠」だということでした。ChatGPTはとても賢いのですが、自分が欲しい答えを得ようと思ったら、適切な質問や問いかけをしなければなりません。樺沢先生もおっしゃっていますが、その質問力の土台となるのが読書と想像力だと思うのです。

ChatGPTはネットの外にある情報は拾えない

 さらに、ChatGPTはネットの中にある情報を拾ってくることは出来ますが、生身の人間の頭の中にある情報やいま世の中で起きていることを足を使って調べてはくれません。なので、例えば企業の100年史を書くために90歳近いリタイアした先代社長の話を聞いたり、現場で起こっていることを人を尋ね歩いて取材し、まとめたりはしてくれないのです。もっと言えば、誰に取材すれば良いのかも教えてはくれません。自分の中にある人脈や業界の知識はAIで代替えできないのです。ChatGPTはジャーナリストにはなれないということです。

コンピューター占いで彼の気持ちは出てこない

 占いについても同じことが言えます。かなり前からネット上に様々な種類の占いが無料で提供されています。無料占いでも「あなたはこういうタイプの人ですよ」とか「今年の運勢はこうこうで」とかはわかるんですね。ただ、お客様から最も多く聞かれる質問、「彼の気持ちを知りたい」の答えは、ネット占いでは出てきまうせん。今の状況を言葉と尽くして説明し、推測することは出来るかもしれませんが、それが「彼はあなたへの興味を既に失っています」だったらどうでしょう? もし占い師がそう答えたら、ひどいレビューを書かれること間違いなしです。

占い師に求められるのは「センスと人への理解力」

 実のところ、占いを利用される方の多くは、必ずしも真実が知りたいわけではありません。LINEをブロックされていてもお金を使って占いに来られるのは、励ましや希望が欲しいからです。ですから、占い師の本当の仕事はクライアントに的確な質問をし、本当のニーズを把握して、それに対して満足が得られるような回答を占いの結果から導き出すことなのです。そのために必要なのが、センスと人への理解力、つまり、聞き出したことを「正しく読解する力」なのです。

占いで一番多い質問は「彼の気持ち」 

 チャット占いや電話占いではタロットカードを使っている占い師がとても多いです。なかでもスタンダードなのはウェイト版タロットです。例えば、不倫のご相談があったとして、「いま彼は私のこと、どう思ってますか?」と聞かれて、大アルカナの最初のカード「0 愚者」の正位置がでたとします。

「0 愚者」は大アルカナの最初のカード

同じカードでも占い師によって解釈は異なる

 このカード、崖から落ちようとしているのに、左手に白いバラを持ち、右手には棒の先にぶらさげたわずかな荷物を持って、意気揚々と旅立とうとしている若者が描かれています。足元には犬が吠えてますね。さて、あなたならこのカードから、彼の気持ちをどう解釈してお客様に伝えますか?

 実は昨日、私が所属する占いコミュニティの勉強会があって、このカードを題材に、10名くらいのプロの占い師が自分の解釈について自由に意見交換しました。その内容が誰一人として同じじゃないんですね。例えば、「犬は吠えて、その恋はやめておけと警告している」と解釈する人もいれば、「犬は青年と一緒に旅に出たがっている。ほら、顔が笑ってるでしょう」という人もいるわけです。
 
 「占いって、そんなにいい加減なんだ!!」と思われるかもしれませんが、そうではありません。タロットはかなり正確にお客様の潜在意識を投影したものがでてきます。それを占い師の霊感と感性で読み解くのが占いです。なので、一般的なウェイト版タロットを使っていても、占い師によって解釈は異なるのです。

人気占い師はお客にとっての「真実」を語る

 面白いのは、お金をたくさん払って、大家を言われる先生に学んだ占い師より、独学でタロットを学んで、待機時間に解説書を読みながら占っている新米占い師の方が、売れっ子になることもがままあるところです。タロットには絵が描かれているのですから、お客様の話に真剣に耳を傾け、そのお客様が本当に求めている答えを察知できる能力があれば、カードの絵柄から自然とイマジネーションが広がり、自分だけの豊かな世界が言葉によって紡ぎ出されてくるはずです。教科書に書かれている決まりきった答えより、その方がお客様が耳にしたい「真実」かもしれません。

AIが苦手な「感情」を扱うのに長けたプロに

  話が脇に逸れましたが、ChatGPTは目の前の人に質問したり、話を聴きながら、相槌を打つことはできません。また、ネット上にあるカードの意味は教えられても、カードの絵柄からイマジネーションをふくらますことはできないのです。ですから、ChatGPTが人気占い師になることは、今のところないでしょう。ただ、「占いに高いお金を払うより、ChatGPTと話している方が楽しい」と言われる時代は既にきています。失業したくなければ、ライターも占い師も、AIが苦手な領域、特に「感情」を扱うのに長けている必要があると思うのです。

書くことと読書はコインの裏表 

 読書は故人も含め、世界中のさまざまな人と出会い、他人の人生をバーチャルで生きたり、系統立った情報をわずかな書籍代で仕入れることができます。しかもそれには出版社の校正が入っているので、滅多に「嘘」はありません。書くことと読書、インプットとアウトプットはコインの裏表です。ライターなので、一般の方より本は読んでいると思いますが、さらに頭が良くなる読み方」を習得すべく、明日は車内で『読書脳』を読破したいと思います。その感想も必ずアウトプットしますので、お楽しみに!!



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