それぞれの"8月31日の夜に"

2018年8月31日(金）夜21時半。
21時に上がってくるというデータを待ちながら、別の案件の企画書を作成中。向かいの席の同僚は、つい先ほど帰り、小さなオフィスに残るのは私だけ。

(あまり、そんなことはしてはいけないのだけれど、）iPhoneのスピーカーをONにして、電話をかけた。
電話の相手は、母親。

「誕生日、おめでとう」
「ありがとう～　仕事終わったの？」
「ううん、まだ会社(笑）」
カタカタとキーボードを叩きながら答える。

母の誕生日は、”夏休み”の終わりの象徴のような、「8月31日」。
幼いころは、休みの終わり=自分の誕生日、というのがなんとも嫌だったらしい。みんな宿題に追われたりしているから、誕生日パーティーもろくにしてもらえなかった、とのこと。（その淋しい気持ちはわかる）

「今年は、8月31日が金曜日だから、宿題やるのもあと2日猶予あるね(笑)」
「確かに。でも、9月3日から5日間いきなりフルで学校ってきついな～」

そんな会話をした。

私は、幸いにも「学校に行きたくない」と思うことはあまりなく、むしろ社会人になってから、『会社怖い病 (仮）』を発症して、一度リタイアした身である。（とまぁ、学校が好きだったわけでもない。ある時は、割と普通にいじめというかハブられ役を部活・クラスとダブルで経験もしていたし）
学生時代は、程よく鈍感だったのかもしれない。というか、学校に行かない、という選択肢を考えることができなかったのかも。
だから、逆を言うと、学校に行かない、行けない、と悩んでいる子たちは本当に苦しいと思うし、行かないと選択した子たちも、自分なりに考えて出した結論なのだから、それもまたすごいよなぁ、と思う。

私は小中学校の時代、SNSもパソコンも、インターネットも触ったことがなかった。本当に狭い世界だった。小中学校の時に、そんなツールが身近にあったなら、私は今とまた違った道をつくっていたのだろうか。時折、そのようなことを考えてしまう。
過去を、今の自分を後悔している訳でもないのだが、うっすら「もしも」とか、「～だったら」「～すれば」といった気持ちが湧いてしまう自分も、とても嫌だ。（リアルタラレバ娘やん・・・）

”子ども”を卒業し、いい年になった私だけど、未だに時折悶々することもあるし、きっと過去をさかのぼっても「これが正解！」と断言できるものもない。その時々に最良だと思うこと、自分が出来ることをするしかないのだと思う。

学校行く・行かない、というのもきっと近くて、その時にしかできない決断があるのだから、きっと無理はしなくても良い。

前述の通り、私は一度リタイアしている。ほんとその時の姿は、きっと惨めだったし、他の人からすれば「なんでそのくらいのことで逃げるの？」「恵まれているのに」とか思われたかもしれない。
でもさ、もちろん色々と迷いはあったけれど、結局は逃げないとヤバイ、って思ってしまったんだもん。しょうがなかった。

勉強だって、通信制のところに変える、とか　きっとやり方はあるだろうし、一度大人も子どもも、頭の中まっさらにしてみるのが良いんじゃないかかなぁ。

「頭」と「心」を切り離して考えるのは、苦しいんだよね。

物事を考えるのは、頭・脳かもしれないけれど、ヒトの気持ちの奥には心・気持ちがある。気持ちは「腑に落ちる」「腹黒い」とかように、人間の身体の中心部にあたる、「腹」に宿るんじゃないかなぁ。
だからこそ、武士の時代「切腹」という方法で命を絶った。ヒトの気持ちを、自らの力で絶つ...。

昔のこと思い出すと、色々考えはじめてしまうなぁ。
人は皆、悩む生き物なんだよね、きっと。悩んで、悩んで、時に人に頼って、その時良いと思う道に進む。それしかないのかも。

話していると、一通のメールが。
待っていたデータが届いた。これから、そのデータの検証作業に入ることに。

母に礼を言って、電話を切る。

夏休みの宿題を必死にやる子どもみたいだな...　今の自分の姿。笑

土日中、どっかで誕生日のプレゼント持って家帰るかなぁ～。

そんなことを思いながら、8月31日の夜、ひとりカタカタとキーボードを打ち続ける。

#8月31日の夜に というハッシュタグ企画に触発され、このタイトルでひとつ書きたくなり、今に至ります。
ただ、運営様側の企画趣旨が悩める10代に向けて、ということのため、私の言う #8月31日の夜に は、ちょっと趣旨と違ってしまうのかも、と。
その場合、私の記事から該当のハッシュタグは削除させていただきますので、宜しくお願いいたします。

noteでは、夏休みのおわりに向け、みなさんが10代の頃、不安でもやもやした思い出やエピソードを募集します。かつてのご自身の体験談と、そこから時間が経ち、思うことを、「#8月31日の夜に」のハッシュタグをつけて、お寄せください。

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