見出し画像

miroirs

こんばんは。

先日はエルメスのブランド史上初の社史を手掛けたのは、日本の漫画家であることを取り上げました。


続いては、シャネルをモチーフにした作品が4月30日に発売されます。
こちらは、ガブリエル・シャネルの人生にインスピレーションを受けて書き下ろされた短編集は、現代の東京を舞台にした内容なのだとか。
表紙の女性がまとうのはシャネルのアイコンであるリトルブラックドレスとパールのネックレス、足元には香水瓶とブランドの代表的なモチーフが採用されています。
シャネルの哲学と世界観を描くのは『約束のネバーランド』作者である白井カイウ・出水ぽすか。
どのように表現しているのか、Amazonではまだ説明文は記載がないものの今から発売が楽しみな作品です。


タイトルである『miroirs(ミロワール)』はフランス語で”鏡”の複数形。
多くの名言を残したシャネルですが、以下のフレーズについて作品の著者が言及しています。

”鏡は厳しく私の厳しさを映し出すそれは鏡と私の闘い私という人間をあらわにする”

自分を映し出す鏡を通じて向き合うことや多面性を表現する象徴として、"鏡"が選ばれたのだとか。

また、ガブリエル・シャネルの「20歳の顔は自然からの贈り物、30歳の顔はあなたの人生、50歳の顔はあなたの功績」という言葉も有名ですが、顔を見れば生き様や状態が分かるというようにこのような言葉も残しています。

"Le visage est un miroir où se reflètent les mouvements de la vie intérieure: accordez-lui beaucoup de soins."
(顔は精神面の様子が反映する鏡。しっかり大切にケアすること)

過去に見た作品の中で、ガブリエル・シャネルのアパルトマンの鏡張りの螺旋階段に腰掛けたシャネルが、階下のサロンでショーが行われる様子をこっそり眺めていたシーンがありました。
その時の表情から恐らく人気絶頂を過ぎた後の時期を描いていたように記憶していますが、自身と向き合うことは時に、他人と向き合うことよりも辛く苦しいものです。

 カナダ出身の精神科医であるエリック・バーンの「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」という言葉は心理学の世界ではメジャーなものです。
ついつい辛い時や苦しい時についつい他責になってしまうこともあるかもしれませんが、変えることができるのは自分だけ。

ガブリエル・シャネルは、恋人との別れ、ブランドの危機、いくつもの苦労を乗り越えて後世に残るブランドの礎を一代で築き上げました。
女性が外で働くことが一般的ではなかった時代、孤児同然の出自をものともせずに。
現代でいえばモデル体型といわれるようなスレンダーなスタイルですが、当時のパリで人気のスタイルや容姿でもなかったにも関わらず、知性と情熱、行動力で周囲の人たちを魅了したガブリエル・シャネル。
逆境にも負けずに自身の能力と人脈も含めた持ちうる限りのスキルを屈指し、歩み続けたエネルギーと想い。
世界中が変化を求められ、苦境にたたされた今こそ、ガブリエル・シャネルの生き様に勇気づけられるのではないでしょうか。

銀座のシャネル・ネクサス・ホールにて4月28日〜6月6日まで開催される『MIROIRS – Manga meets CHANEL Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか』は入場無料の予約制イベント。
単行本のタイトルと同様に"鏡"をテーマに、漫画の章に合わせた3つの空間が設けられるのだとか。
定番の「シャネルN°5」やリップスティック、ブランドアイコンでもある「リトルブラックドレス」など、シャネルの世界観を語る上で欠かせないアイテムも登場。

漫画ファンやシャネルファンはもちろん、世界を塗り替えたシャネルの生き様に触れることでパワーをもらいたい方にもいかがでしょうか。

この記事が参加している募集

スキしてみて

マンガ感想文

サポートして頂けると嬉しいです。あなたの応援が励みになります♪