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波累の話②

〜祖母と私〜

最近、起こった出来事とは。。

一番大きいのは、私を育ててくれて支えてくれた大好きな祖母が
二年前に脳梗塞で倒れて、身体に障害が残った為、施設に入所。
コロナで、一年以上面会禁止だった為、会えなかったこと。

もともと弱い私の基礎部分が崩れた。
ジェンガの後半戦みたい。
ぐらぐらしてる。

両親は、私が小学校六年生の卒業間近に離婚した。
子供から見ても父が悪かった。
離婚も仕方ないと思える状況だった。
父方の祖父母と同居していて、私は祖父母が大好きで離れたくなくて
父と祖父母と暮らす事を選んだ。
母より父が好きだったわけじゃない。
周りの大人達は皆んな反対だったが、私の気持ちが尊重されたようだ。
そして、二歳下の弟と母は出て行った。

就職するまで一緒に暮らしていて、
私が家を出てからも二ヶ月に一回のペースで帰省していた。
祖父母に会いたいから。
そんな私が家を出たのは、私の夢を叶える為だった。

祖父が亡くなってからは、頻繁に電話した。
祖母が、ある日の通話中に
「今日は雨で家から出てなくて、誰とも話さなかった。」
と言っていたから。
それは、祖母の事を心配してるっていうのもあるけど
本当は、私が祖母の声を聞きたかったから。
帰省するのも、
私が祖母に会いたかったから。
会って話して側に居て、一緒にご飯を食べて、
また頑張ろうって帰る。

その繰り返しが突然終わった。
もちろん今も、祖母が生きていてくれるだけで、充分嬉しいと思う。
だけど、誰も面会に行けない日々の中で
久しぶりに会った祖母は、多くの事が分からなくなっていた。
マスクやフェイスガード、アクリル板で人の判断がつきにくいのもあるが、
少し話して、やっと私を思い出してくれる様な状態なのだ。

悲しい。寂しい。何もしてあげられない私は情けない。
心細い。会いたい。話したい。触りたい。
名前を呼んで欲しい。

情けない私は、いつまでも祖母離れ出来ない。
泣いてばかりいる。

でもね。
施設にいる祖母の顔は、とても健康そうで、
あれこれ悩むこともなく。
辛かった事も薄れて、穏やかだった。
顔を見て、安心した。寂しい。


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