好きな音楽は受け継がれていく
好きな音楽の系統は両親に影響されると向暑はるは確信している。
これは持論でしかない。
幼少期に、今は亡き世界的に有名なアーティストのDVDを父親から散々見せられた。
とりあえず見ろ、かっこいいから、と半ば強制的に、画面に目を置いていた向暑はるだけど、特別かっこいいとは思わなかった。
むしろ古臭い。
80年代〜90年代のポップスは古臭いと思うくらいには、向暑はるの耳は21世紀の音が馴染んでいたらしい。
父親の車から流れる曲のほとんどは80年代90年代のポップスとロックが占めていて、
聞き飽きたというのもあるけど、リズムが単調で、睡眠用BGMにはちょうど良く、後部座席でいつも寝ていた。
今でも父親の車に乗れば、当時から何も変わっていない音が流れている。
変わったのは向暑はるである。
車内の音楽が変わるたびに、カーナビに一瞬だけ映る曲名をスマホにメモし、後で自分のApple Musicにダウンロードしている。
父親に直接聞けばいいじゃんと思うかもしれないが、それはプライドが許さない。
後でお酒を交わしながらの会話の種にでもなればいいと思っている。
さぞかし父親は喜ぶだろう。
いつの間にか向暑はるのプレイリストは80年代〜90年代のポップスやロックが半分くらい占めるようになった。
向暑はるの脳内がおじさんと言われるのはこういうところなのかもしれない。
向暑はるが子供を持った時も、その子供が父親の好きな音楽をいつか好きになってくれたら、泣いて喜ぶだろう。
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