銃弾では届かない距離で繋がっている
銃声が鳴り響く。
その近くで怒号が響く。
たった一つの引き金で誰かが泣いて、それに感化された別の誰かが引き金を引く。
それぞれが持つ正義が不幸の連鎖を呼んでいる。
そんな馬鹿ばっかの戦場が、向暑はるの生きている世界にあるらしい。
テレビから悲惨な光景が映し出されるが、未だにCGを使ったフェイク映像だと信じている。
それらの国同士の戦いに、向暑はるや周囲の人間に直接関わりがあるわけでもないけど、
宇宙規模で見れば同じ土地に住んでいる人間として、多少の恐怖は感じている。
平和を祈るだけでは偽善だと言われるかもしれないが、偽善も集まれば善になるとは思っている。
世界が繋がっているならこの祈りは届くはずだ。
そうじゃなければ、それこそこれまで世界が唱えてきた平和や結束というのは上っ面の言葉でしかない。
戦争に勝るものは、銃弾なんかじゃ届かない距離で繋がっているこの平和の祈りだと信じたい。
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