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自己理解とは?

こんにちは!りょーさんです。

しばらくの間、僕が放課後等デイサービスの事業の中で、子どもたちに対して大事にしていること、視点をお伝えてしていきます。

今回は「自己理解」について書いてみます。


自己理解とは?


子どもたちは成長につれて、メタ認知能力を発達させていきます。
メタ認知とは、ざっくりいうと「自分が認知していることを認知する」ってことです。
「メタ」とは「高次の」という意味を持ちます。
自分の感じたこと、気持ち、考えたこと、などを「外から見る」「より高い視点から見る」ってイメージです。
自分を客観視する力とでも言えそうです。

これは「自分を理解すること」と強くつながっています
高学年から思春期を経て、メタ認知能力が発達していく中で、「ああ、自分はこう考える傾向にあるんだ」「こういう価値観があるんだ」「こういいう強みを持っているんだ」ということを客観的に理解していく。
その理解をしていくプロセス自体がとても重要なものなのです。

それは自分の取説を見つけていくこと、ストレスの対処(コーピング)を学ぶこと、苦手なことに対処し、自分の強みを活かしていくことにつながります。

では自分の何を理解していけばいいのでしょうか?

子どもたちは成長するにつれ思考は具体的な思考から抽象的な思考に発展していきます。
なので最初の自己理解はおそらく具体です。そこから抽象に向かっていきます。
スキルや具体への好悪ベース→認知ベース→感情・情緒ベース、という流れです。3層構造になっているって考えたらわかりやすいのでは?って僕は思っています。

①スキル(技能)や具体への好悪がベースの自己理解。
②認知・思考や価値観ベースの自己理解。
③感情や情緒ベースの自己理解。

①スキルや具体への好悪ベースの自己理解。


スキルベースで何が得意か、何が苦手か。あるいは何が好きで、何が嫌いか。
計算が得意で、漢字が嫌い。
絵が得意で、球技は苦手。
ポケモンが好きで、進撃の巨人は苦手。
そんな感じの理解です。

たとえば、子どもたちが意欲的に学んでいる時、おそらく「〇〇が得意」とか「〇〇はできる!」っていう確かな手応えがあるはずです。
その手応えが、もっと抽象的に「自分の強みを知っていく」ための種になっていきます。


②認知・思考や価値観ベースの自己理解。


計算が得意なのは、どのような思考や認知をしているからか。
ポケモンが好きで、進撃の巨人が苦手なのは、どのような好悪の傾向や価値観をもっているからか。

たとえば、人が巨人に食べられ、残酷に死ねいくことを「おぞましい」とか「恐ろしい」という感覚があるとしたら、それは、進撃の巨人だけではなく、呪術廻戦なんかも苦手かもしれません。
それは「こういうアニメは苦手」という形で汎化されると思います。
私たちが具体的な何かを「好き」としているとき、必ず奥底には「価値観」のようなものがある。
そういった認知や思考の傾向性を知っていく、ただ具体物を得意不得意、あるいは好き嫌いで考えるだけではない、抽象的な理解がここにはあります。


③感情や情緒ベースの自己理解


どんな時に嬉しいと思うかな?あるいは不安だと思うかな?っていう傾向性の理解です。
初めは具体的な何かに対して「嬉しい」を抱くでしょう。
親から褒められた時に「嬉しい」とかゲームをクリアした時に嬉しい、とか。
親から褒められた時の嬉しさは「適切な承認をえれば自分は嬉しい」「家族の愛情が示された時に自分は嬉しい」というかたちで抽象化されるかもしれません。
どのような感情ベースのニーズを持っているか?
ゲームをクリアした時の嬉しさは「達成感を得たら嬉しい」あるいは「友達と協力してクリアするのが嬉しい」なのかもしれません。

どういうときにどういう感情を抱くのだろうか? これも自己に対する理解です。


自己理解が自分のトリセツにつながる


僕自身も時折不安になることがあります。

「こういうことが起きているから今不安なんだな」とぼんやりとでも理解できていれば、「あと数日すれば解消しそうだな」とか「ちょっと誰かと話せばすっきりしそうだな、相談しようかな」とか「こういうアクションをすれば多分大丈夫」っていうことがわかります。

そこには自分への理解があります。だから不安の正体がわかったり、対処がわかる。自分トリセツです。

僕は細かい整理が苦手っていうスキルベースの自己理解を持っています。
昔、事務職をした時に痛感しました。ミスだらけで怒られまくりでした。
ここから学んだことは、ざっくりとした事務を間違っていてもいいからサクサクやるのは比較的得意ですが、細かい作業をミスなくこなすってことは難しいということです。
この自己理解から、「自分がやってはいけない職業」を理解したり、「自分の生活の中であまり関わらないほうがいいタスク」を知って生活や仕事を「不得意なもの」をしないでも大丈夫なように組み立てることができます。

発達凸凹の子どもたちにとって、この「自分トリセツ」を少しずつ知っていくことはとても大事なことなのです。
トリセツというと自分を機械のように扱って嫌な感じもありますが、自分を心地よく活かしていくための知恵のようなものです。

自分の周りを心地よくし、不要な失敗を減らし(必要な失敗もあります)、気持ちや自分の中にあるリソースを必要なものに割けるようになるためのものなのです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


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