SZAとは誰か?


フジロックフェスティバル'24の事務局は、7月26日にヘッドライナーとして出演予定だった米国の歌手SZAが急遽出演をキャンセルしたと発表しました。キャンセルの理由はアーティストの都合とされています。このニュースに失望するファンも多い中、SZAのこれまでの功績を振り返り、彼女の魅力に迫ります。


SZAとは誰か?

SZA(本名:Solána Imani Rowe)は、アメリカのR&Bシンガーソングライターで、独特な声と感情豊かな歌詞で知られています。彼女の音楽は、ソウル、ヒップホップ、R&Bの要素を取り入れたもので、独自のスタイルを築いています。

初期のキャリアとブレイクスルー

SZAは2012年にミックステープ「See.SZA.Run」でデビューし、その後2013年にEP「S」をリリースしました。しかし、彼女が広く注目を集めるようになったのは2017年のアルバム「Ctrl」からです。このアルバムは批評家から高く評価され、グラミー賞にもノミネートされました。「Ctrl」はSZAの内面を深く掘り下げた作品で、多くのリスナーに共感を呼びました。


映画「ブラック・パンサー」とのコラボレーション

SZAのキャリアの中でも特に注目すべきは、ケンドリック・ラマーとのコラボレーションです。2018年、彼女はケンドリック・ラマーとともにマーベル映画「ブラック・パンサー」の主題歌「All the Stars」を歌い、大ヒットを記録しました。この曲はゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞にノミネートされ、SZAの名を世界中に知らしめました。

最新アルバム「SOS」の成功

2022年にリリースされたアルバム「SOS」は、SZAのキャリアの中でも特に重要な作品です。このアルバムは全米チャートでトータル61週1位を記録し、SZAの音楽的な進化を示しています。「SOS」は、彼女の深い感情や個人的な経験を反映した曲で構成されており、多くのファンに支持されています。今年のグラミー賞では最多9部門にノミネートされ、3部門で受賞するという偉業を達成しました。また、「SOS」はR&Bアルバムの1日のストリーミング数でストリーミングサービス市場最多を記録し、ビルボード1位を5週連続で記録中です。


SZAのパーソナルストーリー

SZAのオープンでナチュラルな歌と人柄は多くの人を惹きつけますが、その裏には辛い幼少期があります。ミズーリ州セントルイスで生まれ、ニュージャージー州メイプルウッドで育ったSZAは、CNNのエグゼクティブプロデューサーの父親と、AT&Tの幹部の母親のもと、イスラム教徒として育てられました。しかし、学校では友達が少なく、イスラム教徒であることからいじめられていました。

高校卒業後は、3つのカレッジで学びましたが、結局中退。生活のためにバーテンダーやコスメ店のSEPHORAでバイトをしましたが、どれも長続きしませんでした。そんな中、音楽との出会いが彼女の人生を変えました。

2011年、SZAはラップ界のヒップホップレーベルTDEと出会い、2014年にはEP「Z」をリリース。これが彼女のキャリアの第一歩となりました。その後、ビヨンセやリアーナとのコラボレーションを経て、2017年にデビューアルバム「Ctrl」を発表。ローリングストーンの史上最高のデビューアルバムランキングで28位にランクインし、大成功を収めました。

SZAのうつ病との闘い

SZAの音楽とパーソナルストーリーは多くの人々に影響を与えていますが、彼女自身も大きな苦しみを経験しています。特にうつ病との闘いは、彼女の人生と音楽に大きな影響を与えています。

「Ctrl」の成功後、SZAは急速に変わる周囲の状況に圧倒され、プレッシャーやレーベルとの衝突など、さまざまなストレスを抱えることになりました。これに加え、祖母とおばの死という大きな悲しみが彼女を襲いました。SZAは、この時期を振り返り、「音楽を作りたくなかった。ただ自殺しないように、やめないように頑張った。だってあれは辛すぎたし、孤独すぎたから」と語っています。

SZAはうつ病との闘いの中で、運動や瞑想、シンギングボウル(シンギングボウルの詳細)など、さまざまな方法を試みました。2020年12月に発表したシングル「Good Days」では、ネガティブな感情を振り切ろうとする前向きな心境を表現しています。この曲は、彼女がうつ病と向き合いながらも、前に進もうとする姿勢を象徴しています。

さらに、SZAはBillboardのインタビューで、幼い頃の自分に対するアドバイスとして「自分を信じること」を挙げています。彼女は「自分を信じて、無理に周りに合わせようとしないでほしい」と語り、幼少期に感じた孤独や葛藤を振り返っています。


ファンとの絆

SZAの正直でオープンな歌詞や人柄は、多くのファンに深く共感されています。彼女の曲は、個人的な悩みや感情を率直に描いており、多くのリスナーが自分自身の経験と重ね合わせることができます。例えば、「Ctrl」では、元彼との不健全な関係や若者の悩みを歌い、「SOS」ではネガティブな感情を乗り越えようとする前向きな心境を表現しています。

YouTubeの動画では、SZAの音楽が低俗でだと批判されることに対する反論が述べられています。批判者たちは、SZAの音楽が感情的な痛みや個人的な経験を描いていることを理由に低評価しますが、動画のホストは、SZAの音楽が正直で脆弱な表現であることを強調しています。彼女の歌詞は、多くの人々が自身の感情と向き合う手助けをしており、彼女の音楽は癒しと成長の過程を描いています。


まとめ

SZAのうつ病の経験などから体調心配になりましたが、インスタグラムのストーリーでライブ情報を更新していました。しかし、それが本人かどうかは不明です。現時点で日本でのライブ予定はないようですが、再び来日して素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることを切に願っています。

SZAは、音楽業界のスーパースターとして、その影響力を持ち続けています。次のアルバムがいつになるかはわかりませんが、彼女の音楽はこれからも多くの人々にインスピレーションを与え続けるでしょう。


参考元

https://news.yahoo.co.jp/articles/7a17ee99232839b4671c54b042169c449159b684
https://youtu.be/CMeD8KP1MJc?si=Yh5vWiaezy1hWbMm