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お腹の脂肪にはきっとスパイファミリーが住んでいるのかも…の日 【洋梨夫人のダイエット日記vol.5】

前回までのおさらいはこちらから。

毎朝、トレッドミルでの有酸素運動を初めて4週間が過ぎた。
運動…続くかな?と思ってはいたが、
もともと子供の頃から何かしら運動をしていたからか、
想像していたよりは苦痛を感じなかった。

ただ、
「絶対体重落としてやる!」と
当初相当鼻息荒く意気込んではいたものの、
4週間の時も虚しく、そんなにも簡単に体重は落ちない。
なんなら増えちゃったりもしている。
その代わりと言ってはなんだろうけれど、
体脂肪率は初めより、大体2%、いい時で3%程度減っていた。
基本自分にとって都合のいい解釈が大好物な私だから、
「うん、これは、きっと筋肉量が増えたからね。
そう、脂肪より重い筋肉が増えてるからなのよ。
ええ、きっといい兆候なのだわ!」
と納得させ、今までのペースをそう変えることもせず、
またこのまま次の1ヶ月同じことを繰り返そうと決めた。


が、
何も手を打たず考えずこのままやっていこうという
私の甘さに
見えない何かが「それでは甘いよ」と突きつけてくる。
一体お前達は誰だ?

プランクをしている
1分間プランクをしている。
地面に両肘をついて背中からお尻、脚を一直線にして、
1分間同じ体型で耐え続ける。
すると、
どこからともなく声が聞こえてくる。

アーニャ「スパイ、ミッション、ワクワク」
アーニャ「ヘビ嫌い」
アーニャ「アーニャ、ピーナッツ好き。」

ん?なんだろう?と思い、
首を曲げ、顎を胸のほうに近づけて、お臍のほうに目を向ける。

なんだこりゃ?
バ、バ、バ、ババロア…?
ババァのババロア…?
もともとババロア得意じゃないけど、
なんかめっちゃ不味そうなババロアみたいな何か。

がっくりと腕の力が抜けて
お腹が”ペッタン!”と餅つきみたいな間抜けな音を立てて
地面に崩れ落ちる。
床のタイルがひんやりしていて気持ちいい。
プランク失敗!

アーニャ「父!すごい見つけてくる、楽しい。」

見つけてしまった!
見つけてはいけないものを見つけてしまった!
驚愕のおばさんのお腹、
お臍の周りに密集した脂肪。
ゆっくりゆっくり丹精込めてエイジング、
そして丁寧に蓄えられてきた脂肪。
プランク中に重力のせいで腹部からぶら下がり
まるで逆ババロア。
お臍の部分が窪んでて、
プルンッと揺れる質感まで本物クリソツの
お腹から垂れ下っている、ババロア。

アーニャ「アーニャ、鼻くそほじりたい。」
私「ダメ、絶対だめ!」

この衝撃と言ったら!
全部放り出して鼻クソほじりながら半笑いで
「別に…」とか全世界を小馬鹿にしてやりたくなるほど
もう、真っ当な人間やめてやろうかと思うほどのダメージ。
ババロア夫人に改名してやろうか!

なるほど確かに
きっと私の腹にはアーニャが住んでいる。
普通に日常生活を送っているときにはそうとは感じさえないのに、
いったん筋トレなどして引き締めようなどと考えると
その姿をやっと表す。
正体エスパー、アーニャ・フォージャーが住んでいるっていうことは
つまりそういうことだ。
精神科医。正体スパイ。コードネーム”黄昏”の、ロイド・フォージャーも、
市役所職員。正体殺し屋。コードネーム”イバラ姫”の、ヨル・フォージャーも、
私の腹には擬似家族のスパイファミリーがきっといる。
一見筋肉っぽい所に紛れて身を隠して生活しているのに、
奴らは想像以上に脂肪。
筋肉のふりをした脂肪のスパイ。
筋肉に見せかせた完全な脂肪。

アーニャ「アーニャ、この前の時より2mmデカくなった!」
私「おい、やめろ!それ以上脂肪スパイを増やすな!」

「若いキラッキラな20代の筋トレ系ユーチューバーさんとはもう違うんだし、
中年なんだからゆっくり自分のペースでいいよね〜」
なんて呑気なことを言ってた自分をガツンと殴ってやりたい。
一刻も早く。
一刻も早くこのお腹ババロアをやっつけて、
体を正真正銘本物の筋肉で埋め尽して
スパイどもを追い出さなくては!
これも全て体内の平和のためなのだからっっ!!

ババロアおばさんは朝の有酸素運動のルーティンに加え
腹筋バキバキのプログラムの導入を決意した。
そうしてダイエット1ヶ月目は過ぎていったのであった。

おおっと!
つけっぱなしのNetflix消さないとね。


アーニャ「つまんない。スパイ思ってたのと違う。アーニャ、爆弾取り替えしたいのに…。」

心地良いプレッシャーをありがとうございます!もっと面白くなるかどうかは、あなたにかかっていると言っても過言ではないのです!今後も、”全力の合いの手”をよろしくお願いいたします!