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午前三時のホルマリン

カッコつけておいて結局
溺れて死にかけて死ぬことも出来ずに
肺いっぱいに広がった感情を
恥ずかしげもなく恋と呼ぶ

うまく行き渡らない酸素で痺れた脳なのに
幸せの意味を考えずにはいられない
指先まで循環した記憶と共に
剥製になれたら良いななんて思う

誰のものでもない君が
誰かのものになってしまいそうで
誰よりも僕が焦っていた
ありふれた感情と割り切るには少し遅すぎた
答えを言葉にするには手遅れだった

何も生まない誰も知らない心はやがて
ホルマリンに沈んで動かなくなる
僕が死ぬまで死ねない心が
午前三時を繰り返す

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