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ぺトリコールと詩の虹

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自作の詩をまとめてます。
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#自由詩

ないで。

大好きだなんて言わないで 多分本当だから言わないで 嘘だとしても言わないで 本当を嘘にさせ…

6

小人

逃げるつもりはなかったんだ。 遠のく足は饒舌だ。 傷つかないための嘘と 傷つけるための本音…

11

多分怒られてしまうのでしょう 名前のない誰かに 足りないだとか苦しいだとか言えば ハッピー…

8

こんにちは かつてのぼく 靴紐が結べずに 泣いたぼく 夕やけが怖くて 泣いたぼく こんにちは …

7

幻肢

君は僕だけのものだなんて思い上がれるほど弱くはいられなかったのだから、この失恋は幻痛だ。…

4

宴の虹

笑ってしまうほど違う僕らが なぜかしら同じ時間を生きていて 理由なんてないけど 今夜は楽し…

4

同情するならリズム乗れ

橋の上で私は啼く 涙なんて出るもんか 強すぎる風に負けないように ただしなやかなリズムを求めている 叶うなら君と手を取ってワルツを踊っていたいのだ 望まなくても廻る世界で私達だけの自転軸 愛も同情も言葉にすればドレスを穢すだけ 四足歩行の獣になろうよ 分からないことは分からないままだ きっとこれからも それでも音楽は響く。リズムが私を走らせる 共振する心臓が痛い。だからこそ私は生きている いつの間にか私は知っている 君なんて初めからいないこと みんな自分が大事だってこと 孤

世界の猫へ、この夜を捧ぐ

夜は猫たちの国だ 光源の知れない僅かな反射光で煌めく両眼が 誰にも見えない黒の果てを射抜く…

11

細い注射針のように

何もない、なんてことはなくて 僕らはちゃんとここにいる ここにいなければよかった。と思う時…

5

漂白

生きている者は あとどれだけいるのか あいも変わらずに 銀鮭の皮ばかり 好んで君は食べてい…

3

正直な右手

ペンを持つ 動かさなければ、思うほどに右手は固く まるで独立した生命器官であるかのように …

4

無限

無限の可能性がかつての僕に宿っていたのなら、こうなる未来、こうなる現実は可能性から除いて…

3

群影

右に私 左にも私 上に 下に 前に 後ろに 私 私 私 同じカオ 同じカタチで 私がいる 泳…

1

微睡日和

瞬きみたいな午睡のあとで 忘れたくなかった 夢を忘れる 欠伸みたいな涙の後で 忘れたかった 君を愛する