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ぺトリコールと詩の虹

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自作の詩をまとめてます。
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2020年4月の記事一覧

浮遊

死んだあとも残るという、ヒトの生の証 町灯り一つのよう、特別なこともなし 焼けた肉体にな…

6

邂逅

もしかしたら僕たちは もう一度生まれるのかもしれないね こんなにも暖かな、春の木陰の下で …

10

ただいまの僕は

ただいまの僕は 君と笑うために 喫茶店に行きたい ただいまの僕は 君と話すために 居酒屋に行…

5

夜深し(ヨフカシ)

このまま朝を迎えるのが 多分一番楽だから 東に向かったままの 足音は群れて、やまない。 重た…

7

もぐらの詩

泣きながら、愛を歌えばそれが誓いだなんて ファンタジーを人はいつまでも信じている。 骨の音…

7

油淋鶏オールナイト

ねえ、油淋鶏を食べに行こうよ 車で行こうよ、あの橋を渡って ネオンがひしめいた街に眩みなが…

2

ホテル

たりないものを 数えすぎて、足りていた。 私が愚かなのは そのほうが自由だからだ。 周波数を合わせるように 慎重な手付きで君は 私の肌に触れていた 触れられた場所だけ 赦されているのだと 君は、嘲笑っていた 意味のない放精の前で 身体は夢に浮いていた このまま虹色に光って 朽ちていくのだから。 それなら 長く伸ばしたこの髪の先で 呆けた君を撫でてあげるね すべてが終わったら 短い呼吸に合わせて、バイバイ これ以上壊れませんように。 だって初めては痛いから。

転生ダンス

結局のところ、僕らの間に スキもキライもなくて 名前を持たない感情が 顔文字と一緒にスウィ…

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虚ろい

匂わない人生だなあと 我ながら感心してしまう。 吸った分だけの大気は 少しだけ酸素を私に分…

8

こんなんで困難

愛を定義づけることは
 多分圧倒的に不合理だね? 
愛は人それぞれって言ってあげなきゃ …

6

想像の国

結局僕らは 想像で分かり合うしかない。 君の言う 生の重みが備わっていない(一生)には も…

9

指輪

全身全霊込めて作ったって君の 手作りクッキーに入ってる チョコチップはやけにほろ苦い。 そ…

11

夕暮れモーツァルト

誰も明日なんて待っていないことを知ったら、 世界はどんな顔をするだろうか 僕らの前進は、た…

9

トラベラー

我慢できなくて、来たんだろう?今日に。 ここは君にとっての未来で、僕にとっての過去さ。 君は確かめるために、僕は変えるために 随分と大きな代償を払ったようだね。お互いに。 今更帰りたいだなんてわがままを世界は許してくれないよ。 君は安堵と、僕は信頼と 一生殴りあって生きていくんだよ。 身体?もう無いよ。君も僕も。