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もぐらの詩


泣きながら、愛を歌えばそれが誓いだなんて
ファンタジーを人はいつまでも信じている。
骨の音で朝を迎えたことがあるかい?
みぞおちに食い込むような肋骨の軋みは、否応なく生を迫るのさ
下水道に響いた嗚咽から取り出された生身の実感、
いつしか僕の影に潜み蝕んだ切れ端のような自負。
或いは僕が影だろうか。腐って。

いつからだろう。呼吸の目的ばかり探して喘いでいる。
全力で走るからいつも肺が痛い。
眼球も、喉も僕の一部で全部じゃない。(それでいて囚われの道程)
もう一度愛を誓えるならどうか、灰の色をしていて下さい。
希望なんてもたせずに木っ端微塵に砕け散っていて下さい。
お願いします。
刹那の快楽が地獄の扉を開けたのだから。

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