ホテル

たりないものを
数えすぎて、足りていた。
私が愚かなのは
そのほうが自由だからだ。

周波数を合わせるように
慎重な手付きで君は
私の肌に触れていた
触れられた場所だけ
赦されているのだと
君は、嘲笑っていた

意味のない放精の前で
身体は夢に浮いていた
このまま虹色に光って
朽ちていくのだから。

それなら
長く伸ばしたこの髪の先で
呆けた君を撫でてあげるね

すべてが終わったら
短い呼吸に合わせて、バイバイ
これ以上壊れませんように。
だって初めては痛いから。

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