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#157 pipinella (ピピネラ) ①

晩ごはんを食べようと、いつものように「かりい食堂」へ向かったところ、何と今夜は貸切予約が入っているとのこと。
というわけで今夜は予定を変更して、前から気になっていた「ピピネラ」へ行ってみることに。

「ピピネラ」はスパイス料理とお酒のお店。
アンブルティヤルやモージュ、ライオンビールなどスリランカの料理やアルコール類を中心に、パクチームースやマサラカシューなど、日によって様々な創作スパイス料理やキャラメルバナナ酒などの自家製果実酒を楽しむことができます。

場所は高円寺(駅じゃなくお寺の方)のすぐ並び。小鳥が描かれたブルーグリーンの可愛らしい看板が目印です。

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ちなみに、この小鳥のイラストはイラストレーターでもある店主のタケイ・E・サカエさんによるもの。

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「ピピネラ」という店名も、タケイさんが子供の頃から愛読していたという児童書「ドリトル先生と緑のカナリア」に登場するカナリアの名前から取ったのだとか。

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大きなガラス扉を開けて中に入ってみると、店内は木のぬくもりが感じられるウッディーな造り。一際目を引く造り付けの大きな棚には、様々なレコードや書籍、雑貨などがセンス良く飾られていてお洒落な雰囲気です。

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こちらのお店はワンドリンク制。
席に着き、まずは「ハートランドビール」とおつまみに「ナスのモージュ」「鶏レバーのスパイス煮」「ヤリイカのアンブルティヤル」「うずら卵のアンブルティヤル」がワンプレートに乗った「スリランカ前菜盛り」をオーダー。

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ではでは、カンパーイ!!

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ナスのモージュ・・・「モージュ」は素揚げした野菜をスパイスやビネガーなどでマリネしたスリランカの家庭料理。少しフルーティーな感じもあり甘酸っぱくて美味。油を吸った茄子って美味しいよね。

鶏レバーのスパイス煮・・・スパイスの効果でレバーの臭みはきれいに消され、その分旨味はアップ。生姜が良く効いていて柔らかく、レバー好きには堪らない美味しさ。

ヤリイカのアンブルティヤル・・・「アンブルティヤル」はガルシニアという樹の果実を乾燥させ燻した「ゴラカ」というスリランカの食材を使った魚のスパイス煮。保存食だけあって塩気が強く、一度にたくさんは食べられませんが、珍味的な美味しさでお酒にはもってこいの味!

うずら卵のアンブルティヤル・・・魚介で作るのが一般的なアンブルティヤルをうずら卵で作った一品。卵の黄身が塩気を和らげてくれるのでしょっぱ過ぎず、まろやかなコクが加わりこれまた美味。

うーん、これは凄い。
どれもこれもあまりに美味しいものだから、もうちょっと食べたくなってメインに移る前にもう一品追加オーダー。

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エゾ鹿のソーセージ・・・ジビエ特有のワイルドな旨味が感じられるソーセージ。付け合わせの粒マスタードはもちろんのこと、シナモンの効いた自家製のリンゴのチャツネとの相性もバツグンの美味しさ。

ほかのお料理ももっと食べてみたいけど、メインのカレーが入る場所がなくなっちゃうので、あとは次回のお楽しみにとっておくことにして、本日のメインディッシュ「スリランカプレート」をオーダー。

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ブルーのストライプ柄のプレートの上に、ライスを中心にサーブされた料理は全部で8種類。どれもとっても美味しそう。
(写真は真上が「豆せんべい」、そのすぐ左下から時計回りに「豆カレー」「ココナッツふりかけ」「菜の花ココナッツ炒め」「大根カレー」「長芋サラダ」「マトンカレー」、そしてライスの上に「マカジキのアンブルティヤル」。)

まずは一口ずつ。

いただきまーす♪ぱくり♪♪
んー!美味しーい!!(☆∀☆)

豆せんべい・・・主に南アジアで食される豆の粉から作った薄焼きせんべい。国や地域によって「パパダム」や「パパド」など多数の呼称があります。「ピピネラ」のパパダムは自家製で、塩気が程よく効いていてパリッと香ばしく、今までに食べたパパダムの中でも特に美味しかったです。

豆カレー・・・スリランカでは「パリップ」と呼ばれる挽き割りレンズ豆のカレー。豆のほっこりとした優しい風味と鰹出汁の風味を生かしつつも程よい塩加減でメリハリのある仕上がり。スリランカでは「モルディブフィッシュ」という鰹節に似た食材を使った料理が多くあり、魚介出汁の味わいは日本人にも舌馴染みが良く、初めてでも食べやすいのでオススメです。

ココナッツふりかけ・・・「ポルサンボル 」と呼ばれるココナッツ、モルディブフィッシュ、玉ねぎを、塩、唐辛子、レモン汁などで和えたスリランカのふりかけ。チリがピリッと効いていて、プレート全体を混ぜた時に良いアクセントになります。スリランカプレートには欠かせないごはんのお供。

菜の花ココナッツ炒め・・・実は菜の花が大好きなわたし。今回のプレートの中でも特に気に入ったのがこちらのお料理です。マスタードが効いていて、ちょっと菜の花の辛子和えにも似た雰囲気がありますが、ココナッツが香るエスニックな味わいの一品です。

大根カレー・・・大根のココナッツミルク煮。ビーツカレーと同様に優しく穏やかな味わい。スリランカのカレーはスパイスが効いた辛口のものが多いので、大根やビーツのカレーを混ぜ合わせることで辛さが和らぎマイルドな味わいになります。

長芋サラダ・・・今回のプレートでは唯一酸味がある料理。そのまま食べても美味しいけれど、ほかのカレーや惣菜と混ぜ合わせて食べると、プレート全体にさっぱりとした酸味やシャキシャキした食感が加わりより美味しくなります。

マトンカレー・・・骨付きマトンのスパイシーな辛口カレー。スパイスによってマトンの臭みを消しつつも、その独特の風味はしっかりと残してある野性味溢れるカレー。個人的には物凄く好みの味わい。

マカジキのアンブルティヤル・・・スリランカプレートにもアンブルティヤルが乗っていることがわかっていたので、前菜のヤリイカとうずら卵のアンブルティヤルは先に全部食べちゃいましたが、そうでなければ少し取って置こうと思うくらい、アンブルティヤルはお酒だけでなくごはんのお供としても優秀です。このマカジキのアンブルティヤルはマカジキの旨味がぎゅ〜っと濃縮されていてとっても美味。塩気が強いので1つで十分。少しずつカレーと混ぜて頂くのに丁度良い量です。

ひととおり味見をしたら、好きなものを好きなだけ混ぜ合わせていただきます。ぱくり。

ん〜♪幸せ〜♪♪♪

混ぜ合わせることでそれぞれの味や香りが重なり合い、より重層的で深い旨味が感じられます。

「ピピネラ」ではスリランカプレートもそのほかのメニューも、内容は日によって変わるようなので、その時々で色んな料理を楽しめそうです。

ここは近いうちにまた来たいなぁー♪
ごちそうさまでしたー。

晴れ、時々Curry。2020-01-17

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