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ベートーヴェンを毎日聴く246(2020年9月2日)

『ベートーヴェン/イギリス国歌の主題による7つの変奏曲 WoO78』を聴いた。

世界の国歌の中でも、アメリカ合衆国国歌「星条旗」と並んで有名なのがイギリス国歌である「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」であろう。でも「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」は法律で正式に認定された国歌ではないというのを知って驚いた。

有名な旋律がベートーヴェンの多彩な変奏アイデアで様々な表情を見せる。第2、第3変奏と徐々に活発なリズムと装飾が増していき、第4変奏では、もしこれだけ聴いたとしたら、「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」が元ネタであるとは思わないほどの状態に。

第5変奏は、とても悲しくメランコリックな短調になるのが、元ネタとの落差を感じて、それがとても面白く感じるが、急に第6変奏の行進曲風の音楽で元気を取り戻す。そしてフィナーレはとても華やかで堂々としたもの。この作品は、変奏曲は元ネタが良く知っているものだと、その面白さや変化の驚きが特にわかるという一番良い例題かもしれない。

「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」。今はエリザベス女王の治世なので「クイーン」だが、王の治世であれば「キング」になる。ベートーヴェン時代はジョージ3世だったので「キング」であった。

balichacaによるPixabayからの画像

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