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ベートーヴェンを毎日聴く284(2020年10月10日)

『ベートーヴェン/ワルツ 変ホ長調 WoO84』
『ベートーヴェン/ワルツ ニ長調 WoO85』
『ベートーヴェン/エコセーズ 変ホ長調 WoO86』を聴いた。

この3つの作品はウィーンの俳優カール・フリードリッヒ・ミュラーのために作られたもの。

ミュラーという人物がどのような人物なのかはよくわからないのだが、病気で俳優の仕事ができなくなり、楽譜集を自費出版してその売り上げで生計を立てていたという。

ベートーヴェンとミュラーとの関係も良くわからない。もし、お互いが知り合いだったとしたら、ミュラーはベートーヴェンが作曲した劇音楽に出演していた俳優の可能性がある。

お互いが知り合いではないとしたら、ミュラーが様々な作曲家に対して自分が出版する楽譜へ掲載する作品を募っており、ベートーヴェンに対しても依頼が来たのでそれに応えたという可能性がある。

いずれにしても、ベートーヴェンの性格上、苦しんでいる人のことを見過ごすわけにはいかなかっただろうから、迷うことなく作品を提供したことだろう。

他の著名な作曲家ではシューベルトの作品も楽譜には掲載されていたという。

ミュラーは3つの自筆譜を大切に保管していた。それを閉じたファイルには「不死身のベートーヴェンが私のために贈ってくれた作品」と書かれているという。

大作曲家ベートーヴェンの作品を受け取ったミュラー。本業の俳優活動はできず、生活は苦しい面もあったと思われるミュラーの気持ちがよく表れている。


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