ベートーヴェンを毎日聴く366-3(2020年12月31日)最終回
『ベートーヴェン/カノン「おめでとう、新年おめでとう」WoO176』を聴いた。
先回に続いて、まだ新年の挨拶には早いのではあるが、ベートーヴェンが残した新年の挨拶のためのカノンがもうひとつ存在する。
このカノンはアンナ・マリー・エルディーディに新年の挨拶として贈られたもの。
エルディーディは、ベートーヴェン不滅の恋人候補のひとりとして考えられていたことがある。それは彼女の肖像画がベートーヴェンの遺品として発見されたからである。死ぬまで大事に保管していたということは、ずっと思いを寄せていた人物だったからではないか? 確かにそう思ってもおかしくないだろう。しかし、いまでは候補から外されているようだ。
しかし、エルディーディはベートーヴェンの親しい友人であった。ピアニストでもあり、ベートーヴェンは2つの作品を献呈している。
また、ベートーヴェンが年金を受け取れるように尽力した人物でもある。
不滅の恋人ではないにしても、お金に困ることもあったベートーヴェン、年金を受け取ることができるようになった彼女の功績には頭が上がらず、肖像画を大事にしていたのかもしれない。
喜びにあふれたようなこのカノンも、新年を迎えた喜びと、年金を受け取れていることの喜びが現れているのかもしれない。
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