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ベートーヴェンを毎日聴く348-1(2020年12月13日)

『ベートーヴェン/カノン「医者よ、死への門を閉ざせ」WoO189』を聴いた。

ベートーヴェンは健康面でも多く問題を抱えていた。難聴に悩まされただけでなく、40歳になると体調がすぐれず寝込むことも多くなった。内臓、特に腸の調子が悪かったことは有名である。

1825年の春にもベートーヴェンは体調を崩していた。

死にそうな状態から回復し、それを神に感謝するため、作曲中だった弦楽四重奏曲第15番の第3楽章には「病が癒えたものの、神への聖なる感謝のうた。リディア旋法による」と題された曲があてがわれたほどだ。

死にそうな、この病の頃に書かれたこのカノン。このように歌われる。

Doktor sperrt das Tor dem Tod, Note hilft auch ans der Not.
(医者よ、死への門を閉ざせ。困ったときにはノートも役に立つ。)

「死への門を閉ざせ」は、「死なないように治療しろ」という意味。この時のベートーヴェンの気持ちをストレートに、明確に表すものである。

しかし、「困ったときにはノートも役に立つ」が、ちょっと良くわからない。

"Note"には「音符とか楽譜」という意味がある。とすると

「困ったとき(病で苦しい時)には、やはり音楽が助けになるのだ」ということか。これもベートーヴェンらしい、苦しい時を音楽で乗り越えてきたベートーヴェンらしい思いを表すものである。

でも、

"Note"には「紙幣」という意味もあるのだ。とすると

「困ったときには、やっぱりカネや。カネが役に立つんだわ」ということも考えられるのだ。

ベートーヴェンは健康面だけでなく、確かにお金にも困っていた。そんなとき、またまた病気になってしまい、さらに出費が嵩む。お金が必要だ。

お金に目をギラギラさせたベートーヴェンのことは考えたくない。

ということで

「困ったときには、すばらしい音楽(楽譜)を書いて、そしてお金を生み出せばいいのだ」

というところに、個人的には落ち着けたいと思うが、いかがだろうか。



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