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目の見えない白鳥さんとアートを見に行く ダリ彫刻の森vol.1 東かがわ市

とらまるてぶくろ体育館の前には、
ダリの彫刻の森と呼ばれる広場がある。

ここで常々やってみたいことがあったのだ。

「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」
という本がある

子供の頃から、目がほとんど見えなかった白鳥さん。
大人になるにつれ、まったく視力がなくなってしまった。
それでも美術鑑賞がしたいと思いたち、
美術館に電話をかけた。
はじめは断られたのだが、
なんとかお願いしてみると、
美術館のスタッフと一緒に、
館内を見て回ることができるようになった。

一緒に回った美術館のスタッフは
驚いた。
白鳥さんに説明しながら、
館内を回ると、
いままで見えていなかったものが
見えるような感覚を得ることができた。

助ける、助けられるという関係性が
反転するかのような感覚。

NHKのラジオ番組で、白鳥さんが出演されていて、
お話をされているのを聞いて、衝撃を受けた。

早速、隣に白鳥さんがいると仮定して、
東かがわ市とらまる公園にある、ダリ彫刻の森に突撃だ。

まず一つ目はこんな作品。
ちなみにこれは裏から見たところ。
白鳥さんに説明するなら、
石のソフトクリームのような形と表現しようか。
ソフトクリームの一番上には星が乗っている。

前から見ると打って変わって、カエルが積み重なっている。
一番下の1番大きなカエルの目はひっついていて、
葉っぱのような手に、隕石のような石が乗っている。
隕石はおそらく、カエルの手の肉を表している。

下から二番目のカエルは、
くちをひし形に開いて、歌を歌っているかのようだ。
目は離れている。

3番目のカエルは下を向いている。
2番めのお母さんカエルをみているのだろうか?
口は閉じている。

4番目のかえるは、他のかえると比べて、
目の黒目の部分が小さい。
上の方だから、
光が沢山当たっているということを表現したいのだろうか
口は少し開いている。
目はまっすぐに前を向いている。

次のカエルは目が縦に細長い。
他のカエルの目がまんまるなので、
別の種類のかえるなのだろうか?

一番上のカエルは、
手に星を持っている。
目は丸いのだが、
目の中の黒目は一番小さい。
もしかしたら、星の光で、
黒目が小さくなっているのかもしれない。
黒目と行っても黒く塗られているわけではなく、
その部分だけ丸く削られている。

写真で見ると一瞬なのだが、
目の見えない人に説明しようとすると、
こんなにも長文になる。

説明しようとするから、
黒目が小さいなどのちょっと見ただけでは、
気づかなかったようなことにも
気づくことができた。

これはすごい。
私が普段いかにものを見ていないのかを
実感することになった。

ものを本当に深く見なければならない時、
この方法は使えると思った。

ダリの彫刻の森には、
まだまだたくさんの作品があるので、
次回に続く。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

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