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【読書感想】百田尚樹 著『野良犬の値段』

某メンタリストさんの炎上発言の件と一緒にTwitterで話題になっていた
ので読んでみました。結果、面白くて一気読みしてしまいました…!
命の価値というテーマ自体は重いのですが会話が多くて、
展開もスピーディーなので読みやすいです。
とにかく続きが気になって気になって、早朝から起きて続きを読んだりも
しました笑

重要なキーワードであるホームレスを始め、SNSや少年犯罪、メディアによる印象操作、企業上層部の権威の乱用など社会的トピックがたくさん
盛り込まれています。

あらすじ(単行本 帯より)
「私たちはある人物を誘拐しました。この人物を使って"実験"をします」
前代未聞の「劇場型」誘拐事件が、日本社会に”命の価値”を問いかける。
突如としてネット上に現れた、謎の「誘拐サイト」。<私たちが誘拐したのは以下の人物です>という文言とともにサイトで公開されたのは、6人のみすぼらしい男たちの名前と顔写真だった。果たしてこれは事件なのかイタズラなのか。そして写真の男たちは何者なのか。半信半疑の警察、メディア、ネット住民たちを尻目に、「誘拐サイト」は”驚くべき相手”に身代金を要求するー。
日本全体をも巻き込む、かつてない「劇場型犯罪」が幕を開ける!

1つ1つの展開について詳しく書きたいですがめちゃめちゃ長くなってしまうので簡潔に感想を…。

第一章、第二章という二部構成になっています。
第一章は上記の誘拐サイトが世の中に拡散され、その脅迫を受けたメディアや世間の反応がメイン。

第二章に入ると、犯人サイドの事情が明かされていきます。
犯人は誰か?動機は何なのか??本当の要求は???
ここからぐっと物語の深みが増してページを捲る手が止まりません。
思わず涙が零れたシーンも多々ありました。
(ちなみに同じ劇場型犯罪といわれたグリコ森永事件が出てきます。
『罪の声』を去年読んでいてよかった!)

読んでみて、世の中には認知されていない悲しい出来事・事件が
たくさん起きているという事実に悲しくなりました。
事件にならなければ耳を傾けてもらえない…犯人の激しい怒りや悲しみ
が痛いほど伝わってきます。
特にラストシーンは今この瞬間に続いているのではないかと思わせるようで
はっとさせられました。

あっという間の478ページ。
映画とか2時間ドラマを観たかのようなスリリングで夢中になった時間でした。
まだの方は是非読んでみて下さい!

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