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空(くう)を説く、般若心経の世界

こんにちは。瞑想中の蜜りんごです。前回の投稿、「そもそもお経とはなんぞや」からしばらく時間が経ってしまいました。ずっと瞑想中だったもので、すみません……。(いや、実は迷走していました)
自分が思っていたよりも、「お経についてもっと知りたい!」というお声をたくさん聞き、驚きました。とても嬉しかったです。有難うございます。
前回では「お経とは、実はお釈迦さまが実際に書いたものではないんだよね」、というお話をしたのですが、この続きを書こうとすると問題が発生。お経の成り立ちとは仏教の成り立ち、仏教の成り立ちとは、お釈迦さまの誕生……。
ということは、紀元前5世紀ごろから説明することになってしまうため、令和のこの時代までたどり着くのに途方もない時間がかかってしまう……。そんな感じで悩んでしまい、しばらく頭の中は迷走しておりました。
そんなわけで、ちょいと軌道修正。お経に関する身近な話題や、実際のお経の解釈から入っていこうと思います。 

『病室で念仏を唱えないでください』の冒頭は、般若心経

さて、先日、TBSで『病室で念仏を唱えないでください』というドラマがはじまりました。仏教はもちろん、医療の世界も興味があるので期待を膨らませながら視聴。冒頭から「ぶっせつま〜か〜はんにゃ〜は〜らみた〜しんぎょう〜……」とお経が流れ、交通事故で意識を失った男女が救急病棟に担ぎ込まれるというシーンから、ドラマは始まります。

むむむ〜! 正直、モヤモヤしてしまった。救急病棟のスタッフたちは緊張感なく、重体の人が運ばれてくるというのにナゼか上機嫌だし、医療と仏教をちょっと舐めてませんか? というシーンが次々と……。詳しい内容はネタバレになるので割愛しますが、昭和の昼ドラのような俗っぽいネタ、いまだにやってるんだ〜!!と私は途中で失望してしまったわけです。テレビの影響力は大きいので、もっと真面目に仏教と医療について伝えてほしい!※ちなみに漫画が原作です。ドラマの脚本との違いは未調査
まぁ、ここはドラマのレビューを書く場所ではないので、個人的な感想はこほどほどにしたいと思います〜。

三蔵法師は翻訳家? 276文字のポピュラーなお経

ドラマの冒頭に流れたお経は、おそらく誰でも一度は聞いたことがある、「般若心経(はんにゃしんぎょう)」というお経です。276文字で「空(くう)」の思想を説いた経典。写経で使われる代表的なお経でもあります。

現在、私達は般若心経を漢字で見たり読んだりすることができますが、もともとは古代インドで使われていたサンスクリット語という雅言葉で書かれた経典でした。それを唐の時代、玄奘三蔵(げんじょう・さんぞう)という中国のお坊さんがインドから持ち帰り、漢訳しました。

ちなみに、玄奘三蔵の「三蔵」は敬称で、お経を訳す僧侶のことを指します。「三蔵」と聞いて、ここで何か思い出しませんか? そう、『西遊記』の三蔵法師。猿の妖怪・孫悟空(そんごくう)らと一緒にシルクロードを旅していましたよね。訳経僧だったとは!!

『西遊記』に出てきたお坊さんのモデルの一人である、玄奘三蔵。彼が漢訳してまとめた経典は「大般若波羅蜜多経」と呼ばれ、全部で600巻あります。そしてその膨大なお経のエッセンスを276文字に凝縮したものが、『般若心経』です。

日本に入ってきたのは奈良時代の中頃。玄昉(げんぽう)というお坊さんが中国から伝えました。

「般若心経」には何が書いてあるのか

では、さっそくお経の全文を少しずつ見ていくことにしましょう。

>>タイトル
摩訶般若波羅蜜多心経(まか・はんにゃ・はらみた・しんぎょう)
意味:偉大な真実に目覚める智慧の教え

分解します。
◎摩訶
意味:「偉大な」とか「大きな」という意味

◎般若波羅蜜多心経
「般若」(サンスクリット語でパンニャー)=完全なる智慧・仏の智慧・物事を正しく捉えるための力……そのような意味。
「波羅密多」(サンスクリット語でパーラミター)=悟りに至る・真実に目覚めるとか、そのような意味。
……よって
「般若波羅蜜多」=真実に目覚めるための仏の智慧
「心経」=教え

実はこのnoteマガジンのネーミング「波羅蜜多WAVE」は、「般若波羅蜜多」の波羅密多から取りました。なかなかいい名前でしょう? ネーミングを読むだけで、運気が上がりそうです。

まとめますと、お経のタイトルである「摩訶般若波羅蜜多心経」は、摩訶(偉大な)般若波羅蜜多心経(真実に目覚める智慧の教え)と訳すことができます。

タイトルだけでも奥深いと思いませんか〜?
次回は本文の解説にいきます。ではまた!




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