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なぜ私がAfricaScanで予防医療の事業にチャレンジしているのか?

皆さん初めまして。

株式会社アフリカスキャンのゼネラルマネージャーの原健太です。どうぞよろしくお願い致します!

今回は、私が株式会社AfricaScan(アフリカスキャン)にジョインし予防医療に関わった理由や経緯についてお話ししていこうと思います。

アフリカスキャンってどんな会社?
アフリカスキャン(AfricaScan)は、株式会社キャンサースキャンを親会社とするアフリカで予防医療事業を行うベンチャー会社です。2014年から創業し一貫してアフリカの医療/ヘルスケアの課題に取り組んできました。

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どんな事業をやっているの?
2014年にはナイバシャという地域でBlueSpoonKioskというヘルスケプロモーションを行いながら、商品を販売するキオスク(日本でいうこコンビニ的なもの)での事業をスタートしました。このキオスクでは、「健康意識を向上してもらう」という観点から、体重測定や簡易的な健康診断を行うことで、健康意識を購買につなげることを事業として展開していました。

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その過程で、ケニアの片田舎でも肥満が多いという自社データから、SIMWAYというダイエットアプリの開発をスタートしました。SIMWAYは予防医療研究者である石川善樹さんのDi理論に基づいてカロリーコントロール、運動コントロールを行う最先端のダイエットアプリを開発し、保険企業に対してパイロットテストなどを実施していました。

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2020年のコロナ以降は、アフリカの医療技術のギャップを埋めるという目標のもと「アフリカの医療/ヘルスケア情報プラットフォーム」を構築するべく「MedicScan」というオンライン教育プラットフォームを構築しました。また、コロナ禍でも正確な医療情報を提供するための現地の医師や日本の医師とのウェビナーの開催を行いました。現在は約3000名の東アフリカの医療従事者が弊社のサービスに登録しております。

また、アフリカスキャンは医療従事者がライセンスを更新するためのポイントを提供するための公式の組織となりました。この2年間でサービスを成長させる準備が整ったように思います。東アフリカの医療/ヘルスケア技術の向上を目指していきます!

なぜ新興国のヘルスケアに取り組んでいるのか?

新興国との出会いは私が大学院の学生(23)だった時に遡ります。それまで海外に行ったことがなかった私が、研究室の先生に「ヤムイモの栽培しているところ見たことあるのか?」と言われて「ないです」と答えたら「じゃーパプアニューギニア(PNG)行ってこい。」と約5秒くらいで決定し、パプアニューギニアに行くことになりました。

パプアニューギニアの首都は強盗や凶悪犯罪が多くとても日本人が歩けるようような場所ではありませんでしたが、目的地の地方の田舎では普通に歩いて移動することができるほど安全な場所で、私たちは農業実習や現地の人々の生活の観察を行いました。
滞在が数日過ぎたところで、鎌で足を切ってしまった農家の方がおり、私は100均で買ってきたオキシドールを使って彼の怪我を消毒してあげました。彼曰く「いつもそのへんに生えている薬草を当てているんだけど、足がパンパンに張ってしまうんだ!君が持ってきた薬はとてもよい!」とフィードバックをくれました。
100均で買ったオキシドールがこんなに重宝されるとは思ってもいなかったし、消毒液にもアクセスすることが難しい。どのように消毒すれば良いかわからない。という社会がまだ世界にはたくさんあるんだなと、日本とという国に生活してしている私たちでは衝撃的でした。

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健康を維持することは行動変容してもらうこと

さまざまな医療技術や医薬品が技術革新によって社会に実装され、多くの人々の健康を守っています。記憶に新しいのはコロナのワクチン。mRNAを用いてワクチンは、約8ヶ月というスピードで開発され、私たちの健康を守っています。一方で生活習慣病といわれる糖尿病や高血圧などの生活習慣が起因する疾病に関しては、もちろん薬剤を用いて治療することも可能ですが、生活習慣つまり運動や食事を改善することが予防・治療でもとても重要です。

私が青年海外協力隊で赴任したサモア独立国は、「世界一肥満の国」と言われる国です。食べるものも比較的安定していて、暖かい。人が生活していく上では環境にすぐれた場所かもしれません。ですが、サモアの女性の平均体重は80kg、BMIで言うと約30くらいです。また、文化的にも痩せている女性はモテないというカルチャーで、痩せていた女性は全く結婚できなかったが、体重が増えて程なくして結婚したとか。最近は欧米のドラマなどが入ってきているので、若者では太っていることがステータスではなくなってきているようです。


現地における私のミッションは、サモア看護師協会の生活習慣病改善プロジェクトフェーズ2でした。最初の1年は野菜栽培と野菜の摂取を促進するためにサモアの全ての病院に野菜畑を作りました。しかし、ちょうど1周したあたりで、もう一度畑を見に行ってみると、もとの自然に返っていきましたwやはり病院に野菜畑という異質なものは、現地になかなか受けれいれてもらうことができず、持続的に運営することが非常に難しかったです。

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その活動の中で気づいたのが、プロモーションする側と受け取る側に情報のギャップがあるということでした。
例えば、保健省が野菜をたべてください!とプロモーションしても、受け取る側の住人は、「ファンタやスプライトが野菜」だと思っている。つまり、野菜食べてー!とプロモーションしたら、スプライトやファンタの売り上げが上がるといったことです。

また、現地では料理のレパートリーは非常に少なく、炭水化物や脂質が多い食生活していること、日中は暑いので歩いたりすることを避けるということです。

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色々な要素がありますが、生活習慣を変えるということは非常に難しいということです。また知識を提供したとしても人はなかなか行動には移さないということです。どのように健康にむけた「行動変容」させるかが重要で、それをシステムを作っていく必要があるということです。

なぜアフリカで予防医療事業開発を進めるのか?

アフリカは、青年海外協力隊の友人を見ているだけでも非常に過酷な環境だと思いました。一方で、ラストフォロンティアと言われ人口も2050年にかけて劇的に伸びてきます。それだけ伸び代がある一方で、現在では経済、インフラについてはまだまだです。電気、水道、医療アクセスなど課題はたくさんあります。

私がアフリカに渡航したののは、博士後期課程の研究をするためでしたが、程なくして、予防医療に興味があった私はアフリカスキャンにジョインすることになりました。

私の原体験ですが、具合が悪くケニア最大の私立病院に行きました。その病院で診察や検査などを行いましたが、診察代は高額、何回も通わされる(検査結果を聞くためだけに)、めちゃくちゃ待たされる、検体は無くされる、最終的には診断がつかない。なんてことがありました。
また患者さんのヒヤリングによれば、小さなクリニック行って、また別の場所に行って、検査機器がないから別の場所にいってetc なんてことで7回くらい病院に行ってやっと診断がつく。なんてことが散見されました。現地の人たちは高額な医療費を払うことができず、途中で診察/治療をドロップアウトしてしまうことも多々ありました。

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これは複合的な要因なので全てを一発で解決することはできませんが、医療的な知識、診断技術、診断機材に関してはさまざまなチャレンジがあると思い、アフリカスキャンでは診断技術の向上を目指して現地の医師や医療従事者と共にMedicScaというサービスを立ち上げて、医師への医療教育やコミュニティーを提供しています。

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また私たちは多くの医療従事者にMedicScanのサービスを受けてもらいたいので、現地でのライセンス更新のためのポイント(CPDポイント)を提供する公式な組織となりました。これにより多くの医療関係者は、ケニア国内外の医療知識を自身のライセンス更新を目的として参加してもらうことができるようになりました。これは適切なインセンティブ設計ということで医療従事者のモチベーションになっていると思います。

また、最近では日系の医療機器メーカー様や現地のヘルスケアスタートアップ、国立/私立大学とアフリカスキャンと共同でプロジェクトを行う機会が増えてきました。本当にありがとうございます。

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弊社では、現地での医療従事者へのサービスのみならず、患者さんが行動変容できるようなサービスも進めていきたいと考えております。

新興国の方々の健康を守ることは簡単ではないですが、現地の人々の健康の向こう側にある「やりたいこと」に寄与できるように現地のスタッフや以上従事者の方々と協力して事業を進めていこうと思います!

お問い合わせは:
株式会社AfricaScan
https://www.africascan.com/
info@africascan.com

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