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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~「痩せたい」と「食べたい」のその先へ~229


3本目のハイボールを慎重に取り出した。そして、丁寧にプルタブを引き上げた。

今度はゆっくりと、味わいながら一口ずつ飲んだ。喉を通る感覚とか、香りとか、そういった要素を大切にしながら飲んだ。

今週は、初日の月曜日が平和だったからか、大きなトラブルもなく仕事は割と順調に進めることが出来た。

急に予期せぬことを頼まれたり、理不尽な対応をさせられることもほとんどなかった。

何となく、久しぶりに『先生』のところに行ってみようかな、ということが頭の中に思い浮かんだ。

「確か今週末は、新山さんに時間を空けておくように言われていたから、今日か明日にでも行こうかな」

とりあえず、先生の予定が空いているかどうか確認してみることにした。

明日の夜だったら空いている、ということだった。先生に会うことが決まると、何となくほっとしている自分がいた。

「でも、久しぶり過ぎて何を話せばいいのかわからないなぁ……」

そうは思ったけれど、気持ち的には落ち着いていて、仕事も慌てることなく淡々と進めることが出来た。


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