摂食障害の長い長いトンネルを抜けて～「痩せたい」と「食べたい」のその先へ～189

お母さんの手料理を最後に食べたのって、いつだったっけ。確か、妹の由希と一緒に実家に帰った時だった気がする。それから何年経ったのだろう……

そんなことをぼんやりと考えながら、コップにワインを注いだ。ボトルを確認すると、既に半分近くがなくなっていた。

「このワイン、本当においしい。何ていう名前だったっけ」

ラベルを確認すると『アナベラ　カベルネソーヴィニヨン　ナパヴァレー』と書いてある。

銘柄がわかったところで、今の私にはそれ以上のことは何もわからなかった。ただ、今目の前にあるワインがとてもおいしくて飲みやすいということだけは確かだった。

「まっ、いっか。おいしいワインに出会えたということがとても幸せなことなのだから」

今度新山さんに会ったら、このワインの話をしてみようかしら。忘れないようにラベルを写真に撮っておくことにした。

ワインばかり飲んでいると、さすがの私も酔っぱらってしまう。あわてて、コンビニで買ったお惣菜にも箸を付けた。

今日もありがとうございます。