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寿司屋が「理想のシャリ」に近づくには?その1

小池精米店は30軒以上のお寿司屋さんにお米を卸しています。そういったお寿司屋さんとのお付き合いのなかで得た知見をもとに、

「お寿司屋さんが理想のシャリに近づくためにはどうすればいいのか?」

につき、私なりの見解を述べてみたいと思います。

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お寿司屋さんが「理想のシャリ」に近づくにはいくつかのポイントがあります。そのポイントとは、

①お米の選択

②炊飯方法

③味付け

です。そしてその大前提として

「寿司屋の大将が求める理想の鮨」

があるわけです。

弊社は大将が思い描いている「理想の鮨」に近づくためのお手伝いをさせていただく…に過ぎないのです。

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そういった意味では前述の②と③につきましてはお寿司屋さんの領域であり、米屋の領域ではありません。
もちろんお寿司屋さんがそこまで期待される場合は、弊社としては「生米の提供」だけでは済まないと思っております。
それこそ試食の場に立ち会うところまでやらないと、必ずお寿司屋さんの思いと弊社の考えに、齟齬が生じます。

私が言うまでもありませんが、寿司は「シャリ」だけでは成り立ちません。「ネタの大きさ」「ネタの触感や形状」「味付け」も含めて「鮨」という小宇宙が出来上がっているのです。
大将が思っているその世界観を十分に理解せずに私が「シャリの炊き方」や「味付け」まではお話しすることは難しいのです。

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ただほとんどのお寿司屋さんは、そこまでは期待されておらず、弊社には

「『自分が追い求めている鮨を実現するために欲しいシャリ』とはこんな感じです」というお話しで留まっています。

それを押さえたうえで、まず「①お米の選択」となります。

日本で栽培されているお米の品種数は500とも600とも言われています。
その中には「飼料米」「酒米」「もち米」も含まれていますので、実際にはそこまでのことではありませんが、それでも「何も知識がなくても選べる」ほどに、お米の品種の数は少なくはありません。

その中で弊社がお寿司屋さんご提案申し上げているのが以下の品種です。

寿司米一部資料_page-0001

ある程度のヒアリングをしたうえで、お寿司屋さんにはここからいくつかのサンプルをお出しするのです。
ある事例をここに掲げましょう。

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まず大将がどのようなお米を求めているのか、ヒアリングします。
「米粒がしっかりして、表面が張っている」「粘りは少なめ。かといってぱさぱさは不可」「酢に砂糖は入れているがシャリもほのかに甘い方がいい」といった条件を引き出します。
その条件から「甘みは『コシヒカリ』、粒の張りは『つや姫』、粒のインパクトを『〇〇〇』でそれぞれ表現する」といった設計図を描きました。

その設計図をもとにA・B・Cの三種類のブレンド割合を変えたお米を提案。そして大将から答えが返ってきます。
「Bがいちばんイメージに近いが、これをもう少し粘りを抑えることができないか」。
その答えを受け再提案します。「粘りを抑える」ということなので、「〇〇〇」の割合を増やしました。

最終的にはその再提案のお米をご採用頂き、現在に至っています。

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このようなキャッチボールを通じて、お寿司屋さんは理想のシャリに近づくのです。

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弊社は現在30軒以上のお寿司屋さんとお付き合いさせていただいておりますが、こうやって辿り着いた「シャリ」の先に、

ミシュランの星を獲得された

というお寿司屋さんもいらっしゃいます。

さて、お寿司屋さんが理想のシャリに近づくために、米屋が行っていることはこのように「お米の品種を揃える」だけでいいのか?と言うとそのようなことはありません。

たびたびお寿司屋さんからご要望いただくのは

「いかにダマにならないか、いかにほぐれるか」

です。要するに「作業性の良さと口に含んだ時のホロリ感」を重視されているのです。

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それに対して弊社、小池精米店がどのようにお応えしているのか…につきましてはまた次回。

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「楽しくなければお米ではない!」
有限会社 小池精米店
三代目 小池理雄(ただお)

五ツ星お米マイスター
東京米スター
6次産業化プランナー(中央サポートセンター登録)
社会保険労務士

東京都米穀小売商業組合所属
東京都ごはん区メンバー

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