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【グロ注意】脳みそをグチャグチャにしてみたら……【さよならブローカ、ウォルニッケ】〜ふたりプレイ#3〜


*これは連載小説です*
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生きとし生ける者達よ、こんにちは。コトリです。やあ、相変わらず最近は物騒な世の中ですよね。そんな嫌な気持ちを吹き飛ばすくらい物騒な不謹慎ゲームを今回はプレイしようと思います!タイトルは……こちら!

※タイトル画面『さよならブローカ、ウォルニッケ』

これね……はは、脳味噌をぐっちゃにするゲームらしい。不謹慎かな? 炎上するかな? 怖いんだけど、でも俺はやるよ! スタート!

プレイヤー操作〜START〜
白い病室
リアルな3Dグラフィックの老人の顔がドアップで表示


わっ! びっくりした……何!

ジャーゴン助手「バードバード先生! ここにいたんですか! もう患者さんがお待ちです。さあ、こちらにどうぞ……」

ジャーゴン助手? 助手ってことはこのおじいさん、俺の部下? じゃあ俺、この人よりジイチャンってこと……まあいいや、ここ入ればいい? 嫌な予感するんだけどさぁ……これグラフィックリアルだから……

*脳みそが剥き出した人体が寝台に横たわっている

ほら! ほらね! グロ苦手なんだってば……無駄にグラフィックリアルだから気持ち悪……うー、がんばろ

ジャーゴン助手「さあ、バードバード先生、よろしくお願いします」

*選択肢表示
▶︎やり方を忘れてしまった
▶︎いますぐ始めよう

んーこれはチュートリアルかな。ごめんよジャーゴン君、手術方法を忘れてしまってね……はは。

*プレイヤー操作
▶︎やり方を忘れてしまった

ジャーゴン助手「なに!? 忘れましたですと!? ……まあ、しばらく休暇を取っていたのでは自信も無くなるでしょう。私がレクチャーします」

おねがいします!!

ジャーゴン助手「まず、患者の依頼内容について。依頼者は明日、最愛の彼女にプロポーズする予定だそうで。一生に一度の大勝負、絶対に成功さるため、愛を囁く言葉選びをスムーズにできる様にしたい! ……それが今回の依頼内容です」

*ステータス画面に【依頼内容】追加


ああ、そうそう。ダウンロードページの説明に書いてあったんだけど、これ、『脳の言語を司る領域をいじくって、依頼者の願いを叶えるのゲーム』なんだってさ。失敗すると、もう、メチャクチャになるんだとか……まあ、見てて。俺がめちゃくちゃにしてやるので。ね。

ジャーゴン助手「まず、おさらいです。脳みそで言語を司る領域を、【ブローカ野】と【ウォルニッケ野】といいます」

ふむふむ、タイトル回収ありがとうございます

ジャーゴン助手「ブローカ野は、『言葉を話すこと』を司る領域。そしてウォルニッケ野は、『言葉を理解すること』を司る領域です。つまり、同じ言語を司る領域といえども、役割が違うわけですな」

ふーん? なんか、つまり、どういうこと?

ジャーゴン助手「……ぽかんとした顔をしていますな? 具体的に言うと、ブローカ野を損傷すると、言葉の意味は分かるけれど、喋れなくなるのです。相手の言っている意味は分かるのに、口からは支離滅裂な言葉がでてしまうんですな」

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ジャーゴン博士「ウォルニッケ脳を損傷すると、言葉は喋れるのに、意味が理解できなくなるのです。「こんにちは」と聞かれて「食べてないです」と答えるみたいなことですな。言葉にはなっているが、意味が通じないといった具合です」

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あーなるほどね、喋るための機能と、理解するための機能が別々なのか……へー、これ現実でもそうなのかな? 

ジャーゴン助手「あなたには、このブローカ、ウォルニッケの『脳パーツ』を自由に取り替え・組み替えていただいて、依頼に沿った脳を作り上げてもらいます。脳のパーツ材料はこちらに…」

*背後にあるワゴンに、脳みその一部が積まれている様子がアップになる

グロい!やめて!

ジャーゴン博士「さあ、まずは脳パーツを選んでください!」

*ワゴンにクリックマーク

えーやだ、リアルだし触りたくないな…うわ、グチャっていった……これ、この脳にします……

*プレイヤー 脳パーツ選択
*ステータス表示
 ブローカ:特性▶︎リズミカルな口調

ん?この表記なんだろう……特性?

ジャーゴン博士「特性に気づきましたかな? 脳みそパーツはそれぞれ特性があるので、依頼者に合ったパーツを選べば選ぶほど、以来の成功率が上がります。つまり簡単に言うと、この手術は『特殊能力を備えたピースを使って脳みそを作り上げるパズルゲーム』ですな」

メタい! やめて!

ジャーゴン助手「ここまでくればもう思い出しましたな? では早速取り掛かってください、先生!」

*ベルが鳴る
*右上に2分のカウント

えっ、もうチュートリアル終わり? てか何、あの数字……

ジャーゴン助手「ああ、言い忘れていましたが……脳パーツの組み替えは2分内に完成させてくださいね。さもなければ」

さもなければ?

ジャーゴン助手「患者が死にます」

まじかよ

ジャーゴン博士「それでは、頑張ってください!」
*再びベルの音
*ジャーゴン助手が消える

あんのタヌキ親父! 助手だったらもっと手伝えよな……ってこんなこと言ってる場合じゃない、早く選ばないと……えと、えと、これと、これと、これと……

*プレイヤー 脳パーツ選択
*ステータス表示
 ブローカ:特性▶︎リズミカルな口調
 ブローカ:特性▶︎早口
 ウォルニッケ
特性▶︎個性的
 ウォルニッケ特性▶︎散文的

ん……こんなもんか? じゃあ、これらのピースを脳みそにはめる、と……難しいな、脳のシワとシワを合わせないと噛み合わないのか、本当にパズルゲームだな。ここ、噛み合ってないけど、無理矢理はめたらどうなるんだろ……えいっ

*脳みその一部が弾け飛ぶ

グロい! やめて!

ジャーゴン助手「あーやってしまいましたなぁ、先生。脳を損傷すると、特性の効果が減ったり、思わぬ不具合が起こることがあるので気をつけてくださいね。ちなみに損傷率が50%を超えると、」

超えると?

ジャーゴン助手「患者が死にます」

またかよ

ジャーゴン助手「しかし無理矢理破壊して噛み合わせないと完成しない部分もありますぞ! よく形状を見極め、取捨選択することですな。さて、わたしが説明をできるのはここまでです。では、残り時間頑張ってください」

はい……しかし、なるほど、壊さないと、はまらない部分もあると。意外に深いぞこのゲーム……しかし、普通にプレイしないのがバードバード山田の特性だよな。……やっちゃう? やっちゃえ!

*脳みその一部が弾け飛ぶ
*脳みその一部が弾け飛ぶ
*脳みその一部が弾け飛ぶ

これは……グロい! グロいのにやめられん……ちょっとこの破壊音、気持ちよくなってきたかも……。

*脳みその一部が弾け飛ぶ
*脳みその一部が弾け飛ぶ
*脳みその一部が弾け飛ぶ

*カウントダウン10秒前

損傷率どのくらいなんだろ? もう取り返しつかないなぁ! じゃあ仕上げに、ブローカ野とウォルニッケ野も入れ替えちゃえ……これでプロポーズ上手くいったら凄いよね? いや、案外いけるかも。

*カウントダウン3、2、1
*組み替え終了!


ジャーゴン博士「お疲れ様でした、先生! 明日のプロポーズが楽しみですな」

ほんとにね! 楽しみ! こーれは、大成功間違いなしだよ…… 


*次の日
*高層ビルのレストランにいる依頼者と恋人

恋人「……それで、大事な話って?」
依頼者「あの、ぼくと、mpjdagw☆2?-[々×°$€46:\)=×・2……%÷」

あっ

恋人「……何?」
ジャーゴン博士「失敗ですなあ」


*失敗!!
依頼達成率…25%

逆に25%成功してんのなんで!?

*ランク表示…E

ジャーゴン助手「腕が鈍りましたなあ、バードバード先生? ずっと休暇でもとっていたらどうです?」

▶︎リトライ
▶︎タイトル画面へ

ジャーゴンムカつく! やめてやるよ、こんなゲーム!

*プレイヤー操作
▶︎タイトル画面へ

※タイトル画面『さよならブローカ、ウォルニッケ』

はい、というのは冗談でね、いかがでしたでしょーか!? いやあ、グラフィック綺麗だねぇ、インディーズゲームだとは思えない……けどグロい。でもあれだね、脳の特性、つまりパズルのピースを自分で選ぶこともだけど、無理矢理はめこむために一部を破壊しなきゃいけないってのもいい設定だったね、絵面的にグロくて派手だし、何を犠牲にするか、何を残すか考えながらやるのも面白い。ハマる人いるのは分かるな……って、あれ、フツーにレビューになってる……こんな不謹慎なゲームなのに? まあね、こんな時代だからさ、炎上してもまあいいよね、うん。ということで、今回はここまで! 見てくれてありがと。それじゃあ、明日も生きていたらまた会いましょう! ばいばーい!


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*このテキストは、フィクションです


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