チャットルーム〜ふたりプレイ#４〜

＊これは連載小説です＊
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＊＜コトリ＞さんが入室しました

コトリ＞こんちは
コトリ＞こんばんわか
家守＞今晩は
家守＞時間通りのログイン、ありがとうございます
コトリ＞とぼけちゃって、俺が動画アップしてすぐに連絡いれたでしょう？　メールを見ないふりして逃げるとでも？
コトリ＞そんなことしなくても、俺は寝てる時以外はずっとパソコンの前にいるから
家守＞そうですか
コトリ＞あ、そうだ、さっきアップした動画、見てくれた？
家守＞五分で気分が悪くなってウィンドウを閉じました
コトリ＞悲しい〜
家守＞個人的には削除すべき動画かと思わなくもないですが
コトリ＞え、消されちゃう？
家守＞ホームはなにより表現の自由を尊重するサービスですから、見逃します
コトリ＞どうもです……
コトリ＞で？　今日呼び出されたのは他でもない、『YOU』の調査に進展が？
家守＞進展といいますか……
家守＞進展が無いことが進展ですね
コトリ＞それはつまり
コトリ＞なんの異常も見受けられなかったってこと？
家守＞はい。あなたからいただいた、途中からのプレイデータだったのにもかかわらず、『YOU』は我々がプレイした結果ごく普通のフリーゲームでした
コトリ＞ほら、ね？
コトリ＞考えすぎたよ、呪いのゲームだの、人格破壊プログラムだの……それこそゲームの世界だけの話。ホッポーは現実とフィクションの違いも分からなくなっちゃった？
家守＞その言葉は不謹慎じゃないですか？
コトリ＞……うん、そうかも
コトリ＞撤回します、ごめんなさい
家守＞許します
コトリ＞ありがとうございます
家守＞それと、あなたが『YOU』を配信プレイすることも許します
コトリ＞おお
コトリ＞いいんですか？
家守＞なんの異常もない配信を止める権限は、我々home警察にありません
コトリ＞homeはなにより表現の自由を尊重するサービスですから？
家守＞その通り
コトリ＞ありがたや
家守＞ただ、監視はさせていただきます
コトリ＞監視？　配信の？
家守＞はい
コトリ＞つまり、俺の生放送を見てくれるってこと
家守＞そうなりますね
コトリ＞やった、視聴者ゲット
コトリ＞このこと、ネタにしてもいい？
家守＞ネタとは
コトリ＞みんなに……視聴者に話しても良いかってこと
家守＞不本意ですが……
コトリ＞homeはなにより表現の自由を尊重するサービスですから？
家守＞ええ、許可します
コトリ＞じゃあ決まり！　明日の夜7時、『YOU 〈Home公式配信〉』ってことで……是非コメントしてよ
家守＞わたしがコメントするのは緊急時だけです
コトリ＞なんだ、つまんない
コトリ＞ま、配信続行出来るだけありがたいから、いっか
家守＞本当に熱心ですね
コトリ＞そりゃね、homeは俺の生きる理由だから
コトリ＞ここで配信してたり、動画アップしてた人間の大半は、そうだったと思うよ
家守＞不思議です。素直に、その熱意に感服します
コトリ＞家守さんは？　ちがうの？
家守＞わたしがここにいるのは、ただの仕事ですから
コトリ＞仕事ね
コトリ＞そっか
コトリ＞じゃ、明日7時、『さえずるコトリの実況部屋』をよろしく！


＊＜コトリ＞さんが退出しました
＊＜家守＞さんが退出しました

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＊このテキストは、フィクションです