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作品を読み解く。作家インタビュー撮ってみた。


絵画ってなんの為に描くのか?みたいな根本的なことを考えさせられる機会になっています。アトリエ三月では森本ありや個展を開催中。



森本ありや個展「talking bouquet」
会期12月6日(金) - 12月17日(火)
時間:平日15:00-20:00 土日祝13:00-20:00 水木休み
最終日19:00まで
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アトリエ三月では初となる森本ありや個展を開催します。
今展はアトリエ三月 ART competition FLAGの副賞となる個展開催となります。

独特な色彩感覚と、人にも獣のようにも見えるキャラクターやモチーフがまさにパズルのように絵画の中でピースを当てはめるように所狭しと混在するカオスな世界観が特徴的でしたが、作家がいうようにパズル的な混沌とした画面構成は徐々に収束し、モチーフとシュチュエーション、そして作家と絵画の関係性により成り立つ強固な説得力を持った画面を構成します。

bouquetとは一般的には「花束」という意味を持ち、また、「花束のように美しくまとめられたものを象徴的に指す」場合にも用いられます。まさに花束とは一輪一輪の花が混沌としているのではなく、それら全てがまとまった上で美しさを放つということでしょう。

絵画的な強度をbouquetと隠喩する彼女の作品は、一方で絵画的な呪縛に囚われているようにも思すことがありますが、その呪縛に対峙するからこその、内省的なだけではないより客観的な絵画としての力強さがあるように思います。

この機会に是非ご覧ください。

アトリエ三月
原康浩

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talking bouquet

この度の個展「talking bouquet」は後述するアリヤンシリーズの構想に基づいて名づけている。

アリヤンシリーズは森本ありやが作家活動の指針となる想定で設定した、精神的自立達成目標を三つの段階に区分し想定したものである。
作家の精神性/気質と創作は深く結びつく。それは度々変化しながらも還元され、個という人格(作品)に至らしめる。その自然な循環を持続する上で必要となる考察を段階的に三部に割り振り、シリーズとして呼称したものである。

2021年と2022年に石川と大阪にて開催した個展[アリヤンパズル]が第一段階であり、次の段階として[アリヤンブーケ]を第二段階の構想に置いている。
無秩序に連想されるイメージを組み込んでいくパズルピースの様な画面構成で作品を制作していた[アリヤンパズル]の段階から、より絵画と自分との関係性を測る取り組みへと移行している。

絵画上で作り上げることができるファンタジーの更なる領域展開を目指し、画面内で扱える言語感覚を広げながら厳選していく。
ブーケは選択であり、意思であり、心である。この強かな繋がりを絵画を用いて見出すという目的で次の構想段階である[アリヤンブーケ]を想定している。

現時点は[アリヤンパズル]と[アリヤンブーケ]の中間に位置しており、それに伴い今回の個展は経過報告としての展示発表となる。
個展タイトル[talking bouquet]の「talking」にはこのアリヤンブーケ到達に向かうために必要な要素の「絵画との対話]を含めて名付けている。

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森本ありや
1994年生まれ。
京都精華大学洋画コース卒

私の創作は主にキャラクターとシチュエーションを用いた連想から構成される。生活環境と人格形成が時間の中で複雑に結びついていく人生において暗喩的なファンタジーの世界はしばしば内省の手がかりである。

2019 第43回三菱アートゲートプログラム入選
2020 第46回三菱アートゲートプログラム入選
2023 アトリエ三月主催コンペティションFLAG2023大賞
2021 個展[アリヤンパズル]ルンパルンパギャラリー(石川)
2022個展[アリヤンパズルin Osaka]SUNABAGALLERY(大阪)
2023グループ展[keep  mum]Room_412(東京)
2023 グループ展[ひとかた・てあし]FUKUGANGALLERY(大阪)
2024グループ展[ただならぬもの]アトリエ三月(大阪)
2022 アートフェア『norm』出展
2022 神戸アートマルシェ出展


自分の表現すること、絵を描くことにここまで真っ直ぐと向かい合う作家もなかなかいない。それは、作品を介して自分と対峙することが側から見ててもとても辛そうに見えるからだ。


それでいて作品について言語化することも得意な作家ではないので、こうやってたまに深く話をするようにしています。


森本ありやの作品はもっと多くの人に知ってもらいたいので(それはいつもそうだけど)今回久々に動画にしました。ちょっとこの動画で話している内容をテキストにするのが難しいので良かったらご覧くださいませ。

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原 康浩/画家・アトリエ三月主宰
大阪で絵画制作や美術活動をしつつ、ARTspace&BARアトリエ三月を運営しています。サポート頂いた分は活動費やスペース運営費として使用させて頂きます。全ての人がより良く生きていける為に 美術や表現活動を発信し続けます。