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超短編小説 「途中」

80
140字くらいの小説が入っています。よろしくお願いします。
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#お酒

仮面(140字小説)

仮面(140字小説)

風呂上がりに僕がビールを飲んでいる。そんなとき、僕の目は少し潤んでいたりする。僕はいわゆる"いいひと"だ。性格は善良だが臆病で、意思が弱く、勇気というものがどうしても持てないまま大人になってしまった。そして僕はお酒に頼るようになった。お酒を飲んでいるときだけ僕は少し生き生きする。

猫はロックを飲まない(140字小説)

猫はロックを飲まない(140字小説)

毎晩家でひとり、お酒を飲む。私が飲んでいる間、隣ではいつも猫がすやすやと寝息をたてている。最近、私は猫にロックグラスを購入した。私が飲むとき、猫にもウィスキーのロックを用意する。猫はロックなんか飲まないと思うけれども、私はこんな酒で、あんな酒で、夜を乗り越えてきたんだ。なんてね。